登録販売者試験 ─ 試験問題の作成に関する手引き(平成30年3月)

第2章 人体の働きと医薬品

作成日付:19/12/21
更新日付:21/03/25

 


目次:

Ⅰ 人体の構造と働き
1 胃・腸、肝臓、肺、心臓、腎臓などの内臓器官

 

Ⅰ 人体の構造と働き
1 胃・腸、肝臓、肺、心臓、腎臓などの内臓器官

 

 

4)泌尿器系
血液中の老廃物を、尿として体外へ排泄するための器官系である。
泌尿器のほかに、広義の排泄器官としては、二酸化炭素を排出する呼吸器や、老廃物を汗として排出する
外皮等も含まれるが、生命活動によって生じた老廃物の排出のほとんどは、泌尿器系によって行われている。

 

 

 

(a) 腎臓
横隔膜の下、背骨の左右両側に位置する一対の空豆状の臓器で、内側中央部のくびれた部分に尿管、動脈、静脈、リンパ管等がつながっている。
腎臓に入る動脈は細かく枝分かれして、毛細血管が小さな球状になった糸球体を形成する。糸球体の外側を袋状の
ボウマン嚢が包み込んでおり、これを腎小体という。ボウマン嚢から1本の尿細管が伸びて、腎小体と尿細管とで腎臓の基本的な機能単位(ネフロン)を構成している。腎小体では、肝臓でアミノ酸が分解されて生成する尿素など、血液中の老廃物が濾過され、原尿として尿細管へ入る。
そのほか、
血球やタンパク質以外の血漿成分も、腎小体で濾過される。
尿細管では、原尿中のブドウ糖やアミノ酸等の栄養分及び血液の維持に必要な水分や電解質が再吸収される。その結果、老廃物が濃縮され、余分な水分、電解質とともに最終的に尿となる。
腎臓には、心臓から拍出される血液の
1/1/が流れている。
血液中の老廃物の除去のほか、水分及び電解質(特に
ナトリウム)の排出調節が行われており、血液の量と組成を維持して、血圧を一定範囲内に保つ上でも重要な役割を担っている。
 このほか腎臓には
内分泌腺としての機能もあり、骨髄における赤血球の産生を促進するホルモンを分泌する。また、食品から摂取あるいは体内で生合成されたビタミンDは、腎臓で活性型ビタミンDに転換されて、骨の形成や維持の作用を発揮する。

 

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