2020年「加憲」ではなく堂々「改憲」で自衛隊を国軍に | 一水会活動最新情報!

2020年「加憲」ではなく堂々「改憲」で自衛隊を国軍に

7月31日、国連PKOで南スーダンに派遣された陸上自衛隊の日報問題で辞任した、稲田朋美前防衛大臣の離任式が防衛省で行なわれた。

 

 

昨年8月 稲田防衛相の就任式


稲田前大臣ならびに防衛省が「破棄した」と言い張っていた日報が、結果的にデータとして発見され、南スーダンの首都・ジュバで昨年7月に大規模な戦闘があったことが明らかとなったが、この問題に限らず、戦闘地域に自衛隊を派遣したことを”違憲”と言いたいがために野党が国会で追及し、自民党の閣僚が答えに窮するといった場面は、これまで何度繰り返されてきただろうか。

 

国際社会から見ても、国連PKOで海外各地に派遣される日本の自衛隊が「軍隊」「戦力」であることは明白であり、未だ日本国内で「自衛隊は軍隊か否か」「日本は軍隊を持つべきか」などといった議論が行なわれていることはあまりにも馬鹿馬鹿しい。

 

5月3日の憲法記念日に安倍首相は、2020年までに憲法9条を改正し、「自衛隊の存在を明文化する」と明言した。しかし、これは従来から議論が行なわれてきた改憲ではなく、9条の第1項、第2項はそのまま残し、自衛隊の存在を明記した第3項を新設するという「加憲」案であった。改憲(特に9条の)に敏感に反応する世論を鑑みての発言とみられるが、そもそも憲法改正を党是とする自民党内でも、憲法9条に対して一枚岩ではなく、自衛隊の存在意義すら国民に向けて堂々と説明できないという現状は、実に情けない。安倍首相は、2020年のオリンピックイヤーに、日本国を世界に向けてアピールしたいのであれば、堂々と憲法改正を行なったうえで、自衛隊は専守防衛を貫徹する「国軍」に昇格させ、米国の軍事力に頼ることなく、独立国家の首相として、日本の国土と国民の財産を守る決意を、世界に向けて明らかにしていただきたい。

 

米・トランプ大統領が、経済的負担を理由に「在日米軍の撤退」を示唆したのは昨年秋、大統領選直前のことであったが、今年初めの大統領就任後、この問題を日本政府は真剣に議論することなく、八カ月が過ぎてしまった。今年に入ってからというもの、北朝鮮は12回にわたってミサイル発射実験を行っている。7月28日深夜に行なわれた、ICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験に対して、岸田外務大臣は米韓外相と電話会談を行なった後、「今後も最大限の圧力が必要で、日米韓の連携が重要との見解で一致した」と述べたが、もし仮に、北朝鮮が日本の国土を攻撃する明確な意志があるならば、その標的はどこか?今年3月の米韓合同軍事演習に反発する形で行なわれたミサイル発射の際、北朝鮮政府は、「有事の際に在日米軍基地の攻撃任務を担う部隊が発射訓練に成功した」と発表している。すなわち、日本の米軍基地が攻撃対象であると明言したのである。

 

 

7月31日、北朝鮮のICBM発射を受け会見する安倍首相

 

北朝鮮に対しては、米国の力を借りずとも日本政府は独立国家としての立場で、北朝鮮政府と直接交渉を行なうべきである。その上で、安倍政権が愛国性を示す格好の課題は、安倍首相自ら北朝鮮を訪問して金正恩委員長と日朝首脳会談を行ない、核開発・ミサイル問題、拉致問題で直談判を行なうことにほかならないのである。


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日本とロシアの人的・文化的・学術的・経済的交流事業を行っている、特定非営利活動法人 日本・ロシア協会の動画情報サイト「Voice of JR Tokyo」第3回がアップされました。

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『第3回 Voice of JR Tokyo』
https://youtu.be/be7e8q9pWAE
ゲスト:岡部芳彦氏(神戸学院大学経済学部教授)
司 会:黛泰次氏(日本・ロシア協会 常任理事)