北朝鮮 拉致発覚から20年 問題解決への道筋とは | 一水会活動最新情報!

北朝鮮 拉致発覚から20年 問題解決への道筋とは

北朝鮮による拉致事件が明らかとなってから、今年で20年を迎える。


拉致被害者の家族が中心となり結成した「救う会」も、3月25日で結成20年。救う会と超党派の拉致議連は3月23日、合同で記者会見を行なった。

横田めぐみさんの母親・早紀江さんは、「日本人の命を救おうという思いで、皆さんが立ち上がって団結していただきたい」と述べた。

 

北朝鮮による横田めぐみさんへの拉致疑惑が明らかとなったのは、1997年2月3日のことである。当時、朝日放送のプロデューサーだった石高健次氏によるスクープがきっかけであった。その後は国会で議論され、拉致問題に関する報道も一気に過熱した。

 

 

昨年の拉致被害者救出国民大集会


2002年9月、平壌で行なわれた日朝首脳会談において金正日総書記は、それまで長年否定してきた北朝鮮による日本人拉致を初めて認め謝罪。その後5名の拉致被害者と家族らが日本に帰国した。

 

 2002年 日朝首脳会談

 

拉致問題はその後大きな進展もなく、ただ時間だけが過ぎていくものかと思われた。だが2014年、日朝両政府による「ストックホルム合意」で拉致問題の再調査が約束されると、「何人かの拉致被害者が日本に戻ってくる」との情報が日本中を駆け巡った。だが、”その日”が来る事はなかった。


本年3月1日発売の「レコンキスタ」454号掲載記事、「ストックホルム合意の真相と拉致解決への道」で石高健次氏は、2002年当時「官邸が(北朝鮮側の)『うまい話』に乗ってしまったから」と述べている。少々長いが引用させて頂く。

 

『七月十日の日経新聞記事。
一面で「北朝鮮が約三十人の生存者リストを日本に提示。照合の結果、約三分の二が日本側の記録と一致した」と報じたものだ。「政府認定の被害者十七人(うち五人は生還)が複数含まれている」と記されている。
ストックホルム合意では、北朝鮮での行方不明の生存が確認されれば日本へ帰す方向で検討するとなっており、「何人かの拉致被害者は帰ってくる!」との期待が高まるのは当然だ。これについて、菅官房長官は記事を「誤報だ」と会見で述べているが、周辺からは「そう言いながらも実際は官邸から出た情報ではないか。でなければ日経があれほどの大きな記事を一面に掲げることはない」との声が聞こえたものだ。
もう一つ。七月末、私(石高)の親しい政治担当記者が菅官房長官と会った時、「秋になれば、続々と拉致被害者は戻ってくる」と語っていた。しかし、八月初めには「あれほど明るかった官房長官の表情は沈み、拉致被害者生還について口にしなかった」と言う。
考えられるのは、官邸は、外務省とは別ルートで「拉致被害者を帰す」との情報をストックホルム協議以前に得ていたのではないか。それを信じるあまり、強引にそれまでの基本方針を捻じ曲げ日朝合意に持っていった―――。
しかし、その後、日朝協議では拉致被害者のことが全く出てこない。これはおかしいと別ルートの情報源に問いただすと曖昧な答しか帰ってこない。
周知のようにその後、北朝鮮の再調査特別委員会は解体され、拉致問題は、現在まで何ら進展はない。安倍総理は一杯食わされた格好だ。』


国民が期待した”新展開”も空振りに終わり、また時間だけが過ぎてゆく。拉致被害者家族の高齢化も著しい。
発覚から20年、拉致問題はどこへ向かうのか……。


いま世間の関心は、大阪の森友学園問題に集中している。3月23日には籠池泰典氏に対する証人喚問が行なわれ、安倍晋三首相や首相夫人との関係について証言したが、その内容を首相側は否定しており、”真実”がどこにあるのか、まったく見えてこない。

 

安倍政権は土地取引や学校許認可について籠池氏一人に責任を押し付け、事態の収束をはかろうとしていると見受けられる。いずれは詐欺等の法令違反で森友学園に捜査が及ぶ可能性があるだろうが、野党側は徹底的に調査し、真相究明を行なっていくべきだ。メディアもセンセーショナルに取り上げるだけでなく、徹底した調査報道を行なうことを期待したい。

 

もちろん、森友学園側が流しているあらゆる情報の真偽についても、検証はなされるべきである。特に、同学園が運営する塚本幼稚園のホームページで「昭和61年5月に昭和天皇が全国植樹祭の途次、当園に御臨幸賜り、園児より紅白のカーネーションをお渡しした」などと語られていることが虚偽だとすれば、誠に遺憾である。

 

いずれにしても拉致問題も、メディアで報じられなくなると同時に問題そのものが風化し、解決までの道程がより遠くなると思うのだ。


四月度・一水会フォーラムでは、石高健次氏を講師に迎え、20年を迎えた拉致問題の今後の展開と、日本政府に求められる役割等について語っていただく。

 

第180回 一水会フォーラム
日時:平成29年4月13日(木)18:00受付開始
講師:石高健次 先生(ジャーナリスト)
演題:「拉致事件から20年/どうすれば解決するのか?」

18:30~ 一水会活動報告
19:00~ 講演開始
講演終了後 質疑応答

会場:ホテル サンルート高田馬場 三階会議室(高田馬場駅早稲田口下車)徒歩1分
完全予約制 一般 2,500円  学生 1,500円  レコンキスタ購読者 2,000円

 

〇講師プロフィール
石高健次(いしだか・けんじ)
昭和26年大阪生まれ。昭和49年朝日放送入社。一貫して報道局に在籍。平成9年、北朝鮮による横田めぐみさん拉致を突き止め、その経緯と家族の苦悩を描いた「空白の家族たち」で新聞協会賞受賞。現在フリージャーナリスト。著書に「金正日の拉致司令」(朝日文庫)、「めぐみへの遺言」(幻冬舎)など。

 

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