イラク侵攻の戦犯ラムズフェルドへの叙勲はカーティス・ルメイ叙勲以来の愚かな行為だ! | 一水会活動最新情報!

イラク侵攻の戦犯ラムズフェルドへの叙勲はカーティス・ルメイ叙勲以来の愚かな行為だ!

 今年平成二十七年度の秋の叙勲は、各界の功労者三千九百六十四人が受賞されました。そのなかの外国人受賞者八十九人のなかに、何とあのドナルド・ラムズフェルド元米国国防長官の名がありました。ラムズフェルド氏が受章するのは旭日大綬章といい、授章対象として「内閣総理大臣、衆議院議長、参議院議長又は最高裁判所長官の職にあって顕著な功績を挙げた者」「国務大臣、内閣官房副長官、副大臣、衆議院副議長、参議院副議長又は最高裁判所判事の職(これらに準ずる職を含む)にあって顕著な功績を挙げた者」と定められた、日本における最高位の勲章の一つです。

 ラムズフェルド氏は昭和五十年代のジェラルド・フォード大統領時代と平成十三年から十八年までのジョージ・ブッシュ大統領時代の二度、国防長官を務めた軍産複合体の牽引者です。氏は、イラク戦争を開始したブッシュ政権の中枢でもディック・チェイニー副大統領と並ぶ最強硬派で、イラク戦争に賛同しなかったフランスやドイツを「古いヨーロッパである」と呼称して激しく批判、平成十八年には大量破壊兵器の未確認などの対イラク政策の責任を問われて国防長官の職務を事実上更迭(形式としては辞任)された人物です。近く出版されるジョージ・H・W・ブッシュ元大統領の伝記「運命と権力」の中でも、息子が大統領だった時代のラムズフェルド氏について「傲慢で謙虚さに欠ける」「大統領を傷つけた」と批判されています。

 先の十月二十五日に英国のトニー・ブレア元首相はCNNのインタビューに応じるなかで、平成十五年に米英主導で行われたイラク戦争、バクダット空爆について、「誤りであった」「大量破壊兵器は我々が考えたような形では存在しなかった」と発言しました。弊会が当時より主張している、米英がイラク侵攻の根拠としたことの誤謬がようやく世界的に認められつつあると言えます。そのようななかで行われた今回のラムズフェルド氏への叙勲は、日本政府の見識の誤りというほかありません。ここで思い出されるのは、かつて日本政府は、日本への原爆投下と都市部への空爆を立案した米空軍参謀総長カーティス・エマーソン・ルメイに対して昭和三十九年に今回のラムズフェルド氏と同じ旭日大綬章(当時は勲一等旭日大綬章と呼称)を授与しているという事実です。また、非公表ながらこれまで在日米軍幹部には数多く叙勲が行なわれています。米国への阿諛追従の機会としての叙勲を利用することは容認しがたいことであり、その非をここに訴えます。

 ドナルド・ラムズフェルド元国防長官