カナダ下院総選挙、野党躍進で「TPP不参加」の可能性も…?
10月19日投開票のカナダ下院(定数338)の総選挙は、およそ10年ぶりに野党・自由党が与党・保守党を破り、第一党になる可能性が高まってきているようです。 自由党・トルドー党首
カナダ放送協会(CBC)の報道によると、10月17日現在の主な政党支持率は、与党・保守党が31%だったのに対し、野党は自由党が36%、新民主党が22%で、保守党から自由党への政権交代が実現するかどうか、世界的に注目が集まっています。
現在、野党・新民主党は、乳製品の生産地である東部・ケベック州を中心に支持を集めており、環太平洋経済連携協定(TPP協定)の批准には反対の立場を取っています。今回の選挙で、新民主党がどの程度議席を確保するかによって、去る10月5日に参加各国が「大筋合意」したとされるTPP協定は、カナダが参加を見送るという可能性も浮上してくるでしょう。
TPP協定をめぐっては、去る10月7日、米国のヒラリー・クリントン前国務長官が米公共放送(PBS)のインタビューで「TPPを支持しない」と表明し、大きな話題となりました。当初は”基本的支持”の立場を取っていたヒラリー氏でしたが、「米国民の雇用の創出や賃金の上昇、国家安全保障の強化に繋げるべきである」との見解から、現在までに決まった内容では不十分であり、「私が設定した高い基準を満たすとは思わない」と述べたといいます。
米国国内においては、労働組合を中心に、TPP参加に対する反対運動が盛んに行なわれています。条約締結国となるアジア諸国への雇用流出を懸念すると同時に、推進派が盛んに主張する「自由貿易圏」は、結局は米国国内においても一部の大企業の利益にしかならないことが明白だからです。ヒラリー氏には、彼らのような労働組合関係者を支持層に取り込みたい考えがあるのでしょうが、いずれにしても、次の米・大統領選挙の有力候補であるヒラリー氏の動向は、今後も注目していくべきでしょう。
弊会では以前から、「TPPは日本を解体させるものだ」「主権を放棄させるものだ」と訴えてきました。去る9月7日に東京地方裁判所101号法廷で開かれた「TPP交渉差止・違憲訴訟」第一回口頭弁論には、弊会・木村三浩代表も原告団・呼びかけ人の一人として出廷するとともに、レンコンキスタ紙上でも、裁判の模様を報告する記事を掲載し、広く情報提供を行っています。
今後はさらに、関係各位と連携し、日本の国家主権をなおざりにするTPP条約締結を阻止するべく、さまざまな活動を行なっていく所存です。