原子力機構理事長、引責辞任
日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」で多数の点検漏れが見つかった問題で、
同機構の鈴木篤之理事長は17日、引責辞任しました。
(写真は鈴木篤之・日本原子力研究開発機構理事長)
もんじゅは、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、再び核燃料として使用するという
「高速増殖炉」と呼ばれるタイプの原子炉です。
巨額の予算が投じられたもんじゅでしたが、平成7年にナトリウム漏れ事故を起こし運転停止した他、
平成22年8月には試験運転中に核燃料交換装置が炉内に落下、現在も運転停止状態に陥っています。
こうした経緯をたどったもんじゅには、だからこそ、
信頼を損なわないよう慎重な運営が求められていました。
しかしながら、もんじゅの運営は、杜撰そのものといえるものでした。
今年1月、日本原子力研究開発機構は約1万件の点検漏れがあったことを原子力規制庁に報告。
さらにその後の規制庁の立ち入り検査の結果、
非常用電源機器など重要設備の点検漏れも新たに判明しました。
原子力規制委員会は15日、運転再開に向けた準備(使用前検査)を見合わせるよう命じることを決定。
このような流れを受けて、今回、鈴木理事長が引責辞任するに至りました。
(写真は日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ)
一昨年の福島第一原発によって、我が国は極めて甚大な放射能汚染に見舞われました。
我が国の麗しき山河は汚染され、現地の人々は未だに住み慣れた故郷に帰還できずにいます。
これほどの悲劇を経験したにもかかわらず、
未だに原子炉の運営が杜撰に行われていたこと自体、俄かには信じがたいことです。
今回のもんじゅの運転再開の見合わせ、および理事長の辞任は、当然のことであると考えます(F)。
---------------------------------
■第138回一水会フォーラム
日時・平成25年6月10日(月)/18時30分開場・19時00分開会
演題・「昨今の経済動向の分析」
講師・植草一秀先生(経済評論家)
場所・ホテルサンルート高田馬場 3階会議室
会場整理費・2,000円(機関紙「レコンキスタ」最新号込み)