中ロ首脳会談、領土問題などでの協力確認
中国の習近平国家主席は22日、就任後初の外遊先となるロシアにてプーチン大統領と会談、
領土問題に関わる国家主権や安全保障の分野での協力を確認しました。
会談後には両首脳が、
領土の保全や安全保障など「核心的利益」に関わる問題では相互の立場を支持する
と明記した共同声明に調印しました。
この声明には、尖閣列島を巡る対立などを念頭に、我が国を牽制する狙いがあるものと見られます。
ロシアも我が国との間で北方領土問題を抱えており、
プーチン大統領は今回の習国家主席の訪問を「成功した」と評価した、ということです。
習国家主席は、共同声明への調印後、会見を行い
「(中ロ)双方は国家の主権、安全、発展の利益を守る努力を互いに支持しあう」と述べました。
ただ、会見では、「核心的利益」という言葉は用いられず、
「国家の主権」という言葉が用いられるにとどまりました。
習国家主席は更にロシア訪問中の23日、モスクワ国際関係大にて講演、
「(中ロ両国は)第2次世界大戦の勝利で得た成果と戦後の秩序を守らなければならない」
と述べ、我が国を牽制しました。
中国外務省は我が国政府による尖閣列島国有化などの動きを
「戦後秩序に対する著しい挑戦」と位置付け、批判を展開しています。
今回の習国家主席の講演にも、
同じ「戦勝国」であるロシアと第2次世界大戦の歴史観を共有し、
「敗戦国」である我が国に圧力をかける意図があるものと見られます。
(写真は23日、モスクワの大学で講演する中国の習近平国家主席)
4月末には、安倍首相とプーチン大統領との間で日ロ首脳会談が行われます。
安倍首相は北方領土問題でロシアから何らかの形で譲歩を引き出すことが出来るのでしょうか。
また、日ロ関係の強化により、中国側の動きを牽制することが出来るのでしょうか。
今年に入り、一水会フォーラムでもたびたび取り上げている日ロ関係問題。
そんな日ロ関係の行方から、ますます目が離せなくなってきました(F)。