物価が上がれば、果たして所得は上がるのか?
まず、2つのニュースをご紹介します。
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物価上昇2%を明記、政府・日銀 合意文書の骨格判明
政府と日銀が締結を検討している合意文書の骨格が13日、分かった。物価上昇率2%の目標を明記し、政府と日銀 が一体となってデフレ脱却や円高修正に向けた政策を推し進める姿勢を強く打ち出した。日銀は、昨年2月に導入した事実上のインフレ目標を一段と明確化さ せ、目標の達成が見通せるようになるまで強力な金融緩和を続ける。金融緩和の強化を訴えて衆院選に圧勝した安倍晋三首相の求めに応じ、日銀はより大胆な金 融政策運営に踏み出す。
首相は13日、NHK番組で、物価目標について「(文書に)きっちり入れていく。2%と書く」と確認した。
2013/01/13 17:25【共同通信 】
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経団連「ベア実施 余地なし」 定昇、延期・凍結に言及
大企業の経営者でつくる経団連は二十一日、二〇一三年春闘に向けた経営側の指針「経営労働政策委員会(経労委)報告」を正式に決めた。賃金水準全体を底上 げする「ベースアップ(ベア)」は「実施する余地はない」と突っぱね、勤続年数に応じて自動的に給料が上がる「定期昇給」も、企業によっては「延期や凍 結」の可能性があると指摘。昨年と同様の厳しい姿勢を崩していない。
原案段階では、定期昇給は「見直しを聖域にするべきではない」と昨年の「延期・凍結」より踏み込んだが、昨年十一月から為替相場が円安に振れ、企業業績に明るさが見え始めたこともあり、表現を和らげた。
ただ、二年以上にわたって続いた円高で産業空洞化が加速するなど「経営環境は悪化の一途をたどっている」と強調。四月から定年後も希望者すべてが六十五歳 まで働けるよう企業に義務づける改正高年齢者雇用安定法が始まることも「人件費が上がる」として、現役世代に賃上げ抑制を求めた。
労組を束ねる連合は、給与や賞与に諸手当も含めた給与総額を1%引き上げるよう求める方針だが、経労委報告は「経済や企業の実態を無視している」と反論した。
経団連の米倉弘昌会長と連合の古賀伸明会長が二十九日に会談して春闘が本格化し、三月十三~十四日の集中回答日に向けて激しい攻防が見込まれる。
<春 闘> 4月以降の新年度に向けて、大小数千社の労働組合と経営陣が賃金など労働条件の改善について話し合う労使交渉。勤続年数に応じて50歳ごろまで自動 的に給与が上がる「定期昇給(定昇)」と、賃金水準全体を底上げする「ベースアップ(ベア)」が主な議題になる。現在の春闘方式は、1956年に始まり、 高度成長期は各産業が横並びで交渉してきたが、バブル崩壊後は産業や企業ごとの収益格差が激しくなり、横並びの要求や回答は出しづらくなっている。
東京新聞 2013年1月22日 朝刊
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1つめは、物価上昇2%を目指す金融政策の記事で、政府はインフレターゲットを定めることで景気回復を図ろうとしています。
2つめは、経団連がベア(ベースアップ)の余地なし、と表明した記事です。
この2つの記事を照らし合わせてみると、もしアベノミクスの実施によって景気が回復したとしても、雇用側には昇給させる余地がない、ということになります。
つまり、物価だけが上がり、所得は増えないということです。
さらに、このところの円安傾向により輸入品は値上がりするでしょう。
輸出業者は潤うでしょうが、中流層以下の生活は苦しくなるばかりです。
雇用状況は改善されないままで、それに加えて公的扶助を切り下げようとするのでは、国の活力も何も損なわれるだけでしょう。
昨年は(現在もでしょうが)、国会議員やマスコミにより、さんざん生活保護を叩く動きがありました。
潜在的には公的扶助を受けるかもしれない層の人間までが、バッシングする側に回るという、奇妙な光景もありました。
公的扶助の分配で「ワリをくう」ような気になるのでしょうか。あるいは、異議申し立てをする人々が「サヨク」に見えるのでしょうか。
ウヨクだろうがサヨクだろうが貧困は等しく降りかかる問題です。
ツイッターなどで「肉屋を支持する豚」という暗喩をよく見かけます。私たちは「肉屋を支持する豚」になってはならないのです。(N)
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■第134回一水会フォーラム
日時・平成25年2月6日(水)/18時30分開場・19時00分開会
演題・北方領土の取り戻し方の秘訣
講師・東郷和彦先生(京都産業大学法学部教授、元外交官)
場所・ホテルサンルート高田馬場 3階会議室
会場整理費・2,000円(機関紙「レコンキスタ」最新号込み)
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物価上昇2%を明記、政府・日銀 合意文書の骨格判明
政府と日銀が締結を検討している合意文書の骨格が13日、分かった。物価上昇率2%の目標を明記し、政府と日銀 が一体となってデフレ脱却や円高修正に向けた政策を推し進める姿勢を強く打ち出した。日銀は、昨年2月に導入した事実上のインフレ目標を一段と明確化さ せ、目標の達成が見通せるようになるまで強力な金融緩和を続ける。金融緩和の強化を訴えて衆院選に圧勝した安倍晋三首相の求めに応じ、日銀はより大胆な金 融政策運営に踏み出す。
首相は13日、NHK番組で、物価目標について「(文書に)きっちり入れていく。2%と書く」と確認した。
2013/01/13 17:25【共同通信 】
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経団連「ベア実施 余地なし」 定昇、延期・凍結に言及
大企業の経営者でつくる経団連は二十一日、二〇一三年春闘に向けた経営側の指針「経営労働政策委員会(経労委)報告」を正式に決めた。賃金水準全体を底上 げする「ベースアップ(ベア)」は「実施する余地はない」と突っぱね、勤続年数に応じて自動的に給料が上がる「定期昇給」も、企業によっては「延期や凍 結」の可能性があると指摘。昨年と同様の厳しい姿勢を崩していない。
原案段階では、定期昇給は「見直しを聖域にするべきではない」と昨年の「延期・凍結」より踏み込んだが、昨年十一月から為替相場が円安に振れ、企業業績に明るさが見え始めたこともあり、表現を和らげた。
ただ、二年以上にわたって続いた円高で産業空洞化が加速するなど「経営環境は悪化の一途をたどっている」と強調。四月から定年後も希望者すべてが六十五歳 まで働けるよう企業に義務づける改正高年齢者雇用安定法が始まることも「人件費が上がる」として、現役世代に賃上げ抑制を求めた。
労組を束ねる連合は、給与や賞与に諸手当も含めた給与総額を1%引き上げるよう求める方針だが、経労委報告は「経済や企業の実態を無視している」と反論した。
経団連の米倉弘昌会長と連合の古賀伸明会長が二十九日に会談して春闘が本格化し、三月十三~十四日の集中回答日に向けて激しい攻防が見込まれる。
<春 闘> 4月以降の新年度に向けて、大小数千社の労働組合と経営陣が賃金など労働条件の改善について話し合う労使交渉。勤続年数に応じて50歳ごろまで自動 的に給与が上がる「定期昇給(定昇)」と、賃金水準全体を底上げする「ベースアップ(ベア)」が主な議題になる。現在の春闘方式は、1956年に始まり、 高度成長期は各産業が横並びで交渉してきたが、バブル崩壊後は産業や企業ごとの収益格差が激しくなり、横並びの要求や回答は出しづらくなっている。
東京新聞 2013年1月22日 朝刊
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1つめは、物価上昇2%を目指す金融政策の記事で、政府はインフレターゲットを定めることで景気回復を図ろうとしています。
2つめは、経団連がベア(ベースアップ)の余地なし、と表明した記事です。
この2つの記事を照らし合わせてみると、もしアベノミクスの実施によって景気が回復したとしても、雇用側には昇給させる余地がない、ということになります。
つまり、物価だけが上がり、所得は増えないということです。
さらに、このところの円安傾向により輸入品は値上がりするでしょう。
輸出業者は潤うでしょうが、中流層以下の生活は苦しくなるばかりです。
雇用状況は改善されないままで、それに加えて公的扶助を切り下げようとするのでは、国の活力も何も損なわれるだけでしょう。
昨年は(現在もでしょうが)、国会議員やマスコミにより、さんざん生活保護を叩く動きがありました。
潜在的には公的扶助を受けるかもしれない層の人間までが、バッシングする側に回るという、奇妙な光景もありました。
公的扶助の分配で「ワリをくう」ような気になるのでしょうか。あるいは、異議申し立てをする人々が「サヨク」に見えるのでしょうか。
ウヨクだろうがサヨクだろうが貧困は等しく降りかかる問題です。
ツイッターなどで「肉屋を支持する豚」という暗喩をよく見かけます。私たちは「肉屋を支持する豚」になってはならないのです。(N)
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■第134回一水会フォーラム
日時・平成25年2月6日(水)/18時30分開場・19時00分開会
演題・北方領土の取り戻し方の秘訣
講師・東郷和彦先生(京都産業大学法学部教授、元外交官)
場所・ホテルサンルート高田馬場 3階会議室
会場整理費・2,000円(機関紙「レコンキスタ」最新号込み)