「物」より「心」の豊かさ大事―過去最高の64%
内閣府が25日に発表した「国民生活に関する世論調査」によると、
今後の生活で「物の豊かさ」と「心の豊かさ」のどちらに重点を置くかとの質問に対し、
「心」と答えた人が過去最高の64.0%を記録したことが分かりました。
昨年10月の前回調査と比べて2.6ポイントの増加であり、
一方「物」と答えた人は前回比0.9ポイント減の30.1%でした。
今回の調査結果に対し、内閣府の担当者は
「人とのつながりを大事にするようになっているのではないか」
とコメントしています。
現代の日本社会では、かつての地域共同体の紐帯が失われたとよく言われます。
一昨年には「高齢者所在不明問題」が社会問題化しました。
ご記憶の方も多いかと思いますが、国内の多数の高齢者が、戸籍上では存在しているものの、
実際には生死または実居住地などが不明となっていることが発覚した問題です。
地域社会の紐帯が強かった一昔前ならば考えられない事態でした。
そんな中、昨年の3月11日、我が国を未曾有の大災害が襲ったのです。
「3.11」が我々日本人に投げ掛けたものとは、一体何でしょうか。
それは、今一度、周囲の人々との絆を回復することの大切さではなかったでしょうか。
我が国は戦後、奇跡的なまでの経済復興を成し遂げ、
見事「モノの豊かさ」を達成することができました。
しかしそれと引き換えに我々は「心の豊かさ」を失ってしまったのではないでしょうか。
その結果が「高齢者所在不明問題」に象徴される現在の寂しい社会なのではないでしょうか。
現在、竹島や尖閣の領有権を巡って韓国や中国との間で熾烈なやり取りが展開されています。
もちろん領有権が主権国家にとって最重要なのは言うまでもありません。
しかしその一方で地域社会の紐帯の回復もまた、現代の日本社会にとって重要なことなのです。
そういった意味で、心の豊かさを重視する人々が増えているという今回の調査結果は
日本社会の今後を考えるにあたって、好ましいことだと我々は考えます(F)。
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