今こそ、スパイ防止法の制定を!
在日中国大使館の元1等書記官のスパイ活動疑惑を受け、
政府・民主党内で、重要情報を漏洩した公務員らに罰則を科す秘密保全法案の国会提出や、
スパイ防止法の検討を求める声が、今月に入って相次いでいます。
玄葉光一郎外相は今月1日の記者会見にて、
「スパイ防止法、秘密保全法について幅広く議論する必要がある」と述べました。
また、警察行政を担当する松原仁国家公安委員長も1日の閣僚懇談会にて、
「情報漏洩を防止し、取り締まる制度が必要だ」と指摘、
今回のスパイ疑惑を教訓に法制面の対策を急ぐべきだと主張しました。
このように外務省や警察庁は法整備に積極姿勢を示している一方で、
消費増税関連法案への対応で余裕のない首相官邸の関心はいまひとつ、といったところです。
我が国では残念ながら、スパイ活動を取り締まるための法整備が十分にはなされておらず、
そうした無防備な様は「スパイ天国」と揶揄されることすらあります。
戦後60年以上経って、いまだに平和憲法を改正出来ずに丸抱えしているのと良く似ていますが、
もちろん国際社会は甘くはありません。
国際社会では外交の世界などを舞台に日夜熾烈な情報戦が展開されており、
それに対して無防備なままでは我が国の国益が損なわれる恐れがあります。
今回のスパイ疑惑でも、農水省の機密文書が外部に流出した可能性が浮上しており、
現在内部調査が行われているところです。
流出した機密文書には環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉に対する
我が国のスタンスなどの情報も含まれている可能性があります。
グローバリゼーションの進展に伴い各国間の競争が激化していく中、
今後もスパイ活動は活発になりこそすれ、決して衰えることはないでしょう。
そうした中で我が国が国益を損なうことのないよう、
秘密保全法とスパイ防止法の制定を急がなければなりません(F)。
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第127回 一水会フォーラムのお知らせ
日時・平成24年6月15日(金)/18時30分開場・19時00分開会
演題・自立の思想~日本の行方~
講師・辻井喬先生(作家)
場所・ホテルサンルート高田馬場
; 3階会議室