北朝鮮が新型ミサイル公開
北朝鮮では15日、故・金日成主席の生誕100周年を迎え、大規模な祝賀行事が行われました。
この日、首都平壌で行われた軍事パレードでは、新型の長距離ミサイルが初めて公開されました。
このミサイルは射程距離が約5000~6000キロと推定され、
これは同国の中距離弾道ミサイル「ムスダン」の射程距離約3000~4000キロよりも長いものです。
専門家によれば、今回の新型ミサイルは、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級に分類できるといいます。
北朝鮮をめぐる脅威は、ミサイルだけではありません。
13日のミサイル実験失敗で、国威発揚の絶好の機会を逃した金正恩体制は焦りを感じており、
自国民へ向けた更なる国威発揚の一環として、核実験を強行する可能性があるからです。
日増しに緊迫の度合いが高まっている東アジア情勢で、我が国の対応はどうでしょうか。
政府は今回の北朝鮮のミサイル発射を受けて、制裁強化の検討を本格化させました。
北朝鮮への現金持ち出しの規制強化などの実施を想定しているということです。
その一方で政府は、今回のミサイル発射の情報を発表するまでに45分もかかり、
その危機対応能力の低さを露呈した形となりました。
これほどまでに発表が遅れた原因としては、
ミサイルの爆発が早すぎて国内のレーダーやイージス艦ではとらえることができず、
長距離弾道ミサイルなのか短距離ミサイルなのかを確認するのに時間がかかったから、とのことです。
また、田中防衛相と藤村官房長官の間で、情報の出し方や記者会見の方法の調整がとれていませんでした。
ミサイル発射情報は官邸で一元化する取り決めになっていたにもかかわらず、
田中防衛相が藤村修官房長官より先に第一報を発表するという「お粗末ぶり」を露呈したのです。
野党の自民、公明両党は、週明けの国会において、
田中防衛相と、公選法違反の疑いのもたれている前田武志国土交通相に対する辞任要求を強める構えです。
本ブログで先日から主張しているように、北朝鮮・金正恩体制への批判も大いに結構でしょうが、
それと同等、いやそれ以上に、ふがいない我が政府に対しても、
強い批判の眼差しを向ける必要があるのではないでしょうか。(F)