地検特捜部が独自捜査を縮小―検察改革
7月8日、最高検は近年の検察不祥事を受け、
東京、大阪、名古屋の三地検の特捜部にある独自捜査部門を縮小するなどの検察改革を発表しました。
国税局など外部機関から告発を受け捜査する財政経済部門に重点を置くことを柱に据えるとのことです。
また、取り調べの録音・録画(可視化)の試行対象を拡大するほか、
外部有識者を招いた専門委員会などを最高検に設置、チェック体制の強化を測るとしています。
同日の記者会見で、笠間治雄検事総長は、「特捜部には『独自捜査をやっての特捜部だ』という意識があり、
大阪地検特捜部の証拠改ざん事件につながった」と、特捜の体質について指摘。
「国税局など関係機関と力を合わせ、いい捜査をしていきたい」と述べています。
これまで導入が求められている取り調べの可視化が挙げられていますが、可視化の試行は、
誘導尋問が問題になることの多い知的障害者の取り調べや、横浜やさいたま、
千葉など大規模な地検に置かれている特別刑事部の独自捜査事件の容疑者も対象とするとのことです。
不祥事を受け、昨年末以降、特捜部の捜査のチェック体制の見直しや、
特捜事件の可視化などが始まっていますが、一定の成果としては評価できると言えます。
しかし、規模を縮小しても独自捜査を続けることや、まして証拠の改ざん、
捏造などが少しでも行なわれるとすれば、この改革も意味のないものとなります。
検察の存在意義自体が問われる中、こうした世間の目も変わってきている現状で、
旧態依然とした態度を続けるならば、検察庁に明日はないものと思われます。