一度経験してからでは遅い!?災害への対策
大手監査法人の調査で、東日本大震災では、企業が大規模災害やテロ、
などに備えて策定している「事業継続計画」の想定を超えたものとなり、
その機能を果たしていなかったことが分かりました。企業の間では、今回の震災を契機として、
計画の見直しと危機管理体制の構築について再考を迫られているようです。
調査はによると、地震に備えた計画を策定していなかった企業は35%を占め、
また、今回の地震発生から社内の緊急対策本部の立ち上げまでに1時間以上を要した企業は59%にのぼり、
立ち上げに1日以上かかった企業が14%で、17%の企業が対策本部の立ち上げも行わなかった、
という結果が出されています。
多くの場合、災害時の指示や役割分担などの連絡態勢に不備が認められ、
初動から迅速に対応できなかったケースが目立つ形となりました。
また被災地の情報収集や、危機対応のための設備の不足などといった課題も浮き彫りになりました。

今回の震災の規模が想像を上回るものだった・・・、というだけでは済みません。
現に、東京電力・福島第一原発の被災事故も人災だとする声も多く、
事業内容が国家に大きな影響を及ぼす様な企業の場合、
一度、予算などの都合を度外視した安産対策を立てておく必要性について、
今回の震災は大きな問題を提起したと思います。これが営利を追求した結果として、
安全対策が軽視されてきたとするならば、想定を超えたものだったという言い訳も通用せず、
企業としての怠慢が明らかとなるだけです。一度経験することで学習することはありますが、
その一度の経験が最後となることもありうる訳です。自らの営利の追求のみならず、
拠って立つ国家そのものを衰退させてしまうのだという視野を持って、
安全対策に取り組むべきではないでしょうか。