マッチとポンプの数が合わない――中国・同時多発反日デモ
16日、中国の複数の都市で、「反日デモ」が発生したようです。
新華社によると、尖閣諸島の領有を訴える学生が、四川省成都・陝西省西安・河南省鄭州で集結し、
「釣魚台(=尖閣諸島)を返せ」「日本製品を買うな」などの横断幕を掲げて市街を行進した。
成都ではデモが暴徒化し、日本企業のスーパーマーケットや日本料理店に投石が行われたり、
路肩の日本車が破壊されるなどの騒動に発展した。
モール内の日本企業のスーパーが包囲され、石が投げられる。ロイター)
これらのデモはインターネットを通じて計画された、同時多発的な行動で、
最初は各地で2000人程度だったものが、最終的には1万人単位にまで膨れ上がったと言われています。
さらに今日17日、騒動は四川省綿陽に飛び火。一説には2~3万人が参加して暴徒化し、
警察でも制御しきれず、一時武装警察と衝突したとのことです。
16日深夜、中国外務省の馬朝旭報道官は、暴動の自制を訴える談話を発表。
但し、「一部の群衆が、日本側の一連の誤った言行に義憤を示すことは理解できる」と、
とデモに理解を示しつつの談話でありました。
一方、香港のラジオ局や日刊紙の報じた所では、デモは、「各地の大学の学生会が組織したもの」であり、
「1ヶ月前から準備されていた」もので、中国の大学の学生会は共産党の下部組織・義青年団の傘下にあり、
事実上これは政府が煽った「官製デモ」であるとのこと。
今日、海江田経産相は記者団に「まだ一部だろうが、燃え上がらないように日本も努力しなければいけない」と
言しましたが、マッチポンプなデモである以上、日本が何をしようと収まる見込みは無いでしょう。
しかし、こうして見ると可愛いものです。
16日のデモはまだ官製であったと見れますが、今日の綿陽のデモは飛び火で起きた、
中国政府の予想外の出来事だったらしく、学生の中に一般人が多く紛れ、
花火を上げるなどデモにかこつけてストレスを発散している様子や、
日本車だけでなく警察車輌までが襲撃に遭う、横断幕やプラカードが少ないなど、
16日のデモとは違う様相を呈しているようです。
中国初のノーベル賞受賞の報道でさえ完全に遮断した情報統制国家が、
いよいよ情報やデモを統制しきれなくなっているのでしょうか。
統制しきれなくなった時、中国はどうなるのか?
活性化する「反日」の動向を、注視していきたいと思います。