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新しいPCR装置のデモ機がラボに入ったので、数回試してみたが、うまくDNAが増幅できなかった。業者を呼んで実演してもらったが、やはりダメで、機械の本質的な問題がクリアーできていない様子。納品前の業者によるプレゼンでは装置の画期的な点を強調していた。ちゃんと再現性を十分確認してから出品してほしいと思ったが、一生懸命実演している業者を横目で見ながら、小保方さんの事をふと思い出した。

科学の世界では誰がいつやっても同じ結果が出る、つまり再現性という事が最も大事だが、今のところ、小保方さん以外にSTAP細胞の作製に成功したという報告はない。理研はちょっとしたコツが必要だと説明しているが、それならそういう事実も含めて最初に公表すべきだった。それでは、なぜ発表してしまったのか?3つの可能性があると思う。一つは山中先生のiPS細胞の発表以来、この業界は競争が激しくなっているので、STAP細胞の発見を早く世に知らせたいという思いがあったのかもしれない。何十回も実験して1回しか成功しないと自分でも分かっていながら、発見の驚きのあまり、あたかも必ずそうなるみたいな伝え方をしてしまった可能性。再現性はいつの間にか二の次になってしまった。二つ目は、何かの偶然で自分でやる方法ではうまくいくけど、その理由に自分も気づかずに発表してしまった可能性。しかし、発見から発表までに5年もかけているので、常識的にはうまくいかない場合がある事も自分では知っていたはずで、気がつかなかったとは考えにくい。三つ目は、単なる目立ちたがり屋で世間の注目を浴びたいと思っている自己顕示欲の強い人。研究者はNatureに自分の論文が掲載されると人生が変わるので、ある意味詐欺的な行為と言える。でも既に理研のチームリーダーなのに、なぜそこまでして有名になりたいのか、私には理解できない。結局、一つ目の理由の可能性が一番高そうだが、例えSTAP細胞が本当だと後にわかったとしても、今後彼女が発表する論文はすべて信用されないだろう。

個人的にはこういう世の中の胡散臭い物を事前に嗅ぎ分ける力を持っていたいと思う。いい話には裏がある。科学も結局はその人を信じられるかどうかが大事だと思う。