そろそろ転職することを考えている。思えば、医者に成り立ての頃、「医者は患者を治してなんぼのもの、研究などする医者はバカだ」と先輩医師に言われ、自分もそう信じていた。しかし、診療が終わり夜中に大学で一人実験をしている先輩を見ながら、どこか気になっている自分もいた。研究のことはいつしか忘れ、毎日一生懸命患者を診ていたが、医局の人事に振り回され強制的に転勤させられることや、いくら医者の腕をあげても末期のがん患者は治らないということを悟り、医者になって7年後に大学院に進むことを決心した。その頃に娘も生まれ、どうせやるなら研究だけでも生活できるぐらいのプロになろうと思った。それから約16年が経ち、一応、研究者というプロにはなったが、今また医者に戻ろうと思っている。理由はいろいろあるが、今回はそれを語るつもりはない。
転職を考え始めた時、今までの人生を振り返りたくなると同時に、この先の未知なる人生にも想いを馳せることになる。軽い恐怖と期待が混じりながら、永遠の旅をしているような気分になる。久しぶりに「宇宙戦艦ヤマト」の中の「無限に広がる大宇宙」が聴きたくなった。
https://www.youtube.com/watch?v=EM4wJKX0ROk