○ リビング
既存の和室を撤去してワンルームのLIV・DINにした。

 リビングは既存平面の原型をそのまま残し、新しい家具で全体をまとめた。
ソファーは、当時アルフレックスが販売を始めたマレンコを用い、サブとして、コルビジェのバスキュラントチェアーを選んだ。壁天井は布クロス貼りにした。ライトの家具も考えてみたが、個性が強過ぎ、ここには合わないのでやめた。

 

○ ダイニング
 ダイニングは和室を撤去しLIVとワンルームにした。

 ダイニング部分は食事以外に、デザインスタジオとしても使うため、収納を多く確保した。テーブルは長さ3mの杉の未乾燥のムク材をパイプ脚に乗せ、乾燥させながらつかった。歪みが生じる度に削る必要が合ったが今でも大切に使っている。椅子はトピア・スカルパの椅子を合せた。正面の吊戸は、当時新しいテキスタイルとして高い評価を得ていたマリメッコの布で貼ったが、数年後白く塗りつぶした。あまり派手な色彩と模様は、料理の微妙な色合いを壊すためと、映写スクリーンにするためだ。

 

 和室の地袋の天板はヤニ松の長さ3.6mのムク材を使用していて、当時でも入手困難になっていたため、建具を貼り変え、残した。

 

使えるものは極力残すことが、デザイン的にも経済的にも効果的だと思う。