現在スミス邸は、一人息子のボビーが彼の若い死の直前、MELVYN MAXWELL & SARA SMITH FOUNDATIONを設立し、アメリカ合衆国国家歴史的登録材(National Historic Places)として保存させた。
 ボビーがロサンジェルスで成功し、TV会社のオーナーになっていてので、彼等がMYHAVENと呼ぶ家族の象徴だったこの家は、両親の死後は住み手がないまま放置され、崩壊寸前だった。ボビーは1998年に、完全な修復を行い文化遺産として残すことにした。

 

 私も家族の一員として受入れてもらい、私と妻の紀美代との婚約パーティーもこの家で行っていただいたし、近隣に住む自動車産業の重役達にも紹介され、社交界にもデビューさせていただいた。この家が私の建築家人生の出発点になったと思っている。

 この修復工事には参加できなかったが、翌年の1999年に訪れ、修復を担当したフレッドという北欧出身の建築家と共に、スミス家族の冥福を祈ると共に、スミス邸の今後の活用について話合った。

 

 生前のボビーの意向は、「外国人を含む若い建築家・デザイナーが、ここに泊まり有機的建築を体感する場所にしたい」とのことだったので、そのために必要な事項をフレッドと話合った。

 

 ライトと共に生きたこのスミスの小さな宝石・MYHAVENは今でも輝いている。ここで多くの若者に、真の建築を体感して欲しいと願っている。