この日出かけたのは、全日制の公立ながら"学び直し"のテーマを前面に掲げる高校です。




前回の合同相談会で、ハナコも私も興味が湧いて予約した見学会でしたが、実は私は半信半疑でした。




昔から地元では、派手な見た目の子が集まるひどく荒れた学校として、とてもとても有名だったからです。



並行して、数年前から子ども達の自立を支援する目的で地域の有志が熱心に学校に関わるようになっていることは、なんとなく見聞きして知っていました。



以前に職場でたまたま関わりを持った人で、社会的にとても意味のある活動を独自にされている方がいらっしゃって(その方の熱心さは私から見てもとても印象深く、某TV局のドキュメンタリー番組でも取り上げられた程なのですが)、その周囲の方が高校と繋がっていることをなんとなく知っていたので気になっていたのです。




相談会で先生曰く、荒れ果て疲弊していた昔の状況から徹底して学校を立て直す為の取り組みを続けた結果、現在は派手な見た目の子はいなくなりました、とのこと。



咄嗟に私、先生の言うような派手な見た目の子達の行き場が心配になりましたが…汗汗汗



今はやる気の有る子がやるべき事に集中して取り組める環境になっているのだとか。




荒れていた当時は、家庭環境に恵まれない子も多かったようでした。



そういう苦境にある子ども達に手を差し伸べ、どうにかして社会に送り出す道筋を探そうと、時にバイト先やアパート探しまで手伝って自立を見守るような活動をしているNPO法人が、この学校に継続して関わり先生方と協働しながら現在進行形でいろいろな取り組みを続けていることが、先生の説明や校舎内の様子から伝わってきました。




例えば、飲食の禁止されていない図書室。



まるで小さな本屋さんのような工夫が凝らされたレイアウトで、ソファも複数置いて有って、とにかく居心地が良さそう!


司書の先生の意向がふんだんに盛り込まれ、NPOによる週に一度のカフェの催しもこの図書室であるのだとか。




取り組みの中には、"朝ご飯のサービス"なんてのも有ります。




諸事情で朝ご飯を食べないまま登校する子ども達に向けて、週に2日、こちらも地域の有志の方が無償で取り組んでおられるのだそう…。




卒業後の進路のサポートも手厚いようです。






胸が熱くなりました…!





大した実感が有るようにも見えない子ども達に向かって、「我が校の生徒であるという誇りを持って!」だとか言ってしまうような、変なルールだとか妙なスローガンばかりを掲げているような、まるで学校の為に子どもが態度を変えることを当たり前に求めるような学校もたくさん有る中で…





ここの学校は子ども達が主役なのだということを自然にしっかりと感じることができるし、そういう温かな肯定感を土台に過ごすことのできる環境のありがたさ…





主役の子ども達をサポートする先生方や地域の方々の温かな気概が強く伝わってきました。




数年かけて取り組んできたことにより、確実に変化している点も、好印象でした。




継続してよく工夫されているし、風通しの良さ、柔軟さも感じます。




社会の中でこぼれかけた存在の子ども達を必死に守り、世に送り出してきたのだと思います。




校舎は古かったです。
設備が整っているわけでも無くて。

(代わりに工夫はされている。)


数年前までの荒れた学校のイメージから、地域の中では未だに敬遠する空気も根強いようで、大幅な定員割れの状況が続いている。


偏差値なんて、もう見る必要も感じない程のレベルです。




だけど今回足を運んでみて、私はとてもいい学校だと思いました。





おまけ



夜中に懐中電灯を持って、ヒキガエルの散歩に付き合う。この夏、我が家にやってきたとびきりかわいい女の子。