私は学生時代、カヌー部に所属していたことが有ります。
競技人口の少なさから、やる気のある部員は国体も視野に入れて取り組む中、小柄で筋力の無かった私はもっぱら川べりの景色を楽しみながらフラフラ漕ぐのが大好きでした…!
空と一体になって見える水面の煌めきとか、水辺の風の匂い、裸足の感触、そんなことを楽しんでいたなぁと、今でも時々思い出すのです。
思い返すと3年にも満たない期間の事なのだけれど。
練習場所は、校庭の横を流れる小さな川でした。
行きは流れに沿って水面を滑るように心地よく漕いで進んでいくカヌーも、帰りは流れに逆らって精いっぱい漕がないと、学校まで戻ることができませんでした。
疲れに身をまかせて手を止めれば、ただただ下流に流されますからね。
下流に向かって進もうとする時でも、流れにまかせるだけでは、小川を流れる笹舟のように不安定な状態になってしまいます。
安全にカヌーをコントロールするためには、一定の力強いリズムでパドルを漕ぐことが大事。
そういう感触を鮮明に覚えている。
私の乗っていた競技用カヌーは船体が細くて、乗り心地がとても不安定でした。
川の上で練習をさぼる時は、友達とお互いのカヌーを横に並べて、パドルを手でフレームに固定し合いました。
安心して流れにまかせておしゃべりを楽しんだ楽しい記憶。
のどかな景色の中で、どんどん流されながら…笑
その内繋げていたカヌーを離すと、途端に不安定になって。
そうして流された分だけ、がんばって漕いで帰ります。
大きな早い船がそばを通ると、発生した横波をくらってすぐにバランスが崩れます。
ここでも力強く漕ぎ進めているカヌーなら、多少の波を受けても耐えることが出来ます。
時に向かい風とか、ビュンビュン来るんですよ。
波も荒くなってくる。
翻弄されてしまわないように、
波風や流れを超える力で力強く漕ぐ動作が、とっても大事。
そうしてたくさん川に落っこちました!
しかも朝練で。
ほんのり川の匂いを身にまとって、授業を受けていたあの頃が懐かしいです。
今、私は時々周囲の状況が目まぐるしく思えて、ほとほと嫌になることがたまにあって、
すると、なぜだかそんな川の景色がしょっちゅう頭に思い浮かぶ。
何と言っても、まずは自分のポンコツ頭がうらめしいのですが。
(いろんなことが、ずーっととっ散らかっているようで。)
周囲の状況に翻弄されない力強いリズムで、日々をこなしていけたら、ずいぶん違うはずなんだけどな…
と、カヌーを漕ぐ感触を思い出しながら想像するのですけどね。
いつかまたカヌーに乗れたらいいな。
もちろん競技用の細いやつではなくて、のんびりした丸っこいやつに。
個人でやろうとするとお金がかかりそうで、なかなか手が出せません…! 汗
おまけ