森田清子インタビュー 60歳以上で会社を、せめてしゅういちのこと | イッセー尾形・らBlog 高齢者職域開拓モデル事業「せめてしゅういち」

森田清子インタビュー 60歳以上で会社を、せめてしゅういちのこと

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40年興行をしてきて2012年に舞台をしばらくお休みするということになりました。舞台のときのケータリングなんかやっていたし、数年前から子どもの放課後や週末の預かりをやっていたので、何かできないかなと思った。でも、今カフェになっている稽古場は天井まで道具や衣装、装置でいっぱいだし、スタッフも事務所にきてもすることがなくて、公園にバスケットしにいくみたいな日もあった。

 

そうしながらも経費はかかっていくし、どうしようと。とことん困るまで待っていたという感じもあるのね。でも、本当に困ってるってことももちろんあった。そうすると、動きだす。まず、このカフェの整備について、世田谷区のまちづくり協議会ってところのコミュニティ形成のための補助金に応募しようということで、スタッフの一人が苦労して資料を作り、プレゼンしたの。とつとつと一生懸命しゃべるのに、みんな応援してね。で、改装費を出していただけることになった。

 

で、もう一つは預かりをやっていた経験などもあるし、18歳くらいまでの居場所の認可を受けようとしたの。これも不慣れなスタッフが何度も都庁にかよって、何にもないところから、小さい努力を積んで、認可をうけることができた。奇跡みたいよね。で、隣の事務所だったところとその二階部分は、「いくつあるぽっく」て名前をつけて、昼間10代の若い人が活動をする場として去年の5月に開設できたの。

 

でも、それだけではなあ、と思ったときに、仕事財団の封筒が目に入ったの。ワークショップで関西に行ったりしていて、締め切り間際だったけれど、資料をつくって応募したの。プレゼンも、お役所の人や委員の方がたくさん取り囲むところで3人で行って、こんなことをやりたいということを訴えた。雄三さんが興奮しだしたり、無理かなと思ったのに、なんと、採択された。それが「せめてしゅういち」

 

定年になったり子育てが終わったりで、60歳を越えた方は、豊かに技能や人間関係の知恵や、希望や、望みもあるはず。それに、生き方や暮らし向きもみんな異なっているから、友達付き合いが成立しにくい。それならば、カフェの楽ちん堂で、「せめて週一」くらいは顔を見せましょう。お茶したりランチしたり、時には夜お酒飲んだりしながら、アイデアを出したり、企画を提出したりしましょう。実行できる人が集まって、予算を抑えた形でできることをやってみましょう。雄三のワークショップは、参加者ができること、演れる人物からシーンを組み立てていく。そいういうやり方で仕事を発見していこうというのがコンセプトなの。もちろん、収益もあげたいと思う。これから募集をかけていって、そこでやろうという人との話し合いの中から、どういう風に収益を確保するかということも考えていけばいいと思うのね。

 

今考えているのは、これから募集して、ワークショップ形式で、採用を決めようと思うの。私たちの考えてることだから、ただ選ぶということにはならないはず。現実世界での評価の高い低いということで選ぶことはしない。

まず、こられた方のこれまでの聞き取りよね。みんな物語がある。それを事実と少しちがっていても、よりその人らしさを大事にして演出することも含めて、ラジオ番組にしていくつもり。顔を出さないていうことで自由にやれるしね。もし、それを文字起こしして出版したければ、そうしてもいい。もちろん、今出版して利益が出るということはない。ラジオもそう。だから、最初の資本は、カフェでお茶も飲める権利も含めての登録料というかそういうものをいただくことかな。それを元にして、利潤を上げたいとおもっているの。

 

まず、3月21日に二子玉ライズビルの「カタリスト バ」で公演が決まっているから、そこにも参加してもらいたいわ。

 

昨日ね、ふらりと小松さんが来られたの。そこのドアあけて本当に急に。でも、用があったのでなくて、はなしたくなったとおっしゃって。いくらでも話はあるのよ。でも、雄三が、長くなりそうだったりすると、その話はって、遮るでしょ。すると小松さんが、前にはこういうことされると自分もむっとした。でも、今は雄三さんが話の方向付をすることで、そこにいてお互いに何かつくり上げることへと話が向くことがわかった。とおっしゃったの。

で、3月にはなにかやりたいね、ってネタをもう昨日のうちに作ったりしたのよ。雄三が、小松さんに、一番昔の記憶ってなんですか?って聞いたら、光がパーッとさして、お父さんの後ろ姿が、ってじーっとさぐるように間をおいておっしゃったの。

いいお芝居ができそうな気がするわ。


写真は福寿草