ら・ら・ら劇団 稽古 | イッセー尾形・らBlog 高齢者職域開拓モデル事業「せめてしゅういち」

ら・ら・ら劇団 稽古

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俳優のマコトが自分の生き方に悩み、いろいろな人に相談しに行きます。
マコト「俺どうしたらいいんですかね」
女性「引っ越したその日。うちの晩御飯は鍋だったん。そしたら父が『小口ネギはないんか?』と怒鳴って。母は私の手をひいて、どこにスーパーがあるのかもわからないまま夜の街に出たんよ。やっと見つけたスーパーはシャッターが閉まっていて。母はドンドン、とシャッターをたたいて。中からおじさんが出てきて、小口ネギを買って走って家に帰ったわ。母は『小口ネギです』って父の前に出したわ」
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マコト「俺、どうしたらいいんですかね」
作家「私なんかね、随分前からキオスクなんかで売ってる官能小説書いてんのよ。何冊か本読んでそこからパクったのを集めて、書いただけなんだから。簡単、簡単。あんたも、書いてみる?でもね、この仕事なにがイヤって自分の名前使えないんだよね。」
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マコト「どーしたらいいんでしょう?」
男性「隣で柏田さんが寝ていたんですが、ふと目が覚めると、いないんですよね。するとトイレから「おえー」と聞こえて。で、ジャーと水を流す音が。そしたら反対に寝ていた島田さんのさっきまで聞こえていたイビキも止んで。一番奥で寝ていた、あきら君と、たすく君のヒソヒソ声が聞こえてきて。そのうちに柏田さんが戻ってきて、イビキをかき始めたんですよ。次目が覚めるとあきら君が僕の頭をさわっていた朝でした」

雄三さん「合宿所かなにかで生活している人にしようか。このセリフを聞くと、この人が長い間、膨大な孤独な時間を過ごしてきたっていうのがわかるね。一人、自分の部屋で寝る前に考えることは大抵、金のことか恋愛のこと。でもこういう人に出会うことで、他人と一緒にいるから生まれることをマコトも気づくんじゃないかな」

二月の公演が終わったあと、稽古は重ね出来つつあった物語でしたが、一度壊し、今日から新しい物語を作りだしました。小さな光が見えた今日でした。4月21日渋谷のスペースエッジにて公演です!