こんにちは。
1月のお稽古のご紹介です。
今月は茶道具や掛け軸にまつわるエピソードや歴史をご紹介したいと思います。
こちらの二本柱の棚は、及台子(きゅうだいす)といいます。
また、そこに飾られている柄がお揃いの茶道具は「皆具」といいます。統一感があって素敵ですね。
ちなみに及台子の由来は、古来中国の官僚登用試験「科挙」に合格した者を意味する「進士及第(しんしきゅうだい)」だけがくぐれる門に似せたという説や、進士及第の作文を置くための台をモチーフにしている等、諸説あるようです。
掛け軸は禅語の「紅炉(上)一点の雪」です。
(読み方:こうろじょういってんのゆき)
真っ赤に燃え盛る炉の上に降りおちた一片の雪が、たちまち溶けて無くなるように、
私欲や迷いが一瞬のうちに消え去るという意味です。紅炉は悟り、雪は煩悩を表しているといわれます。
死生観に対するたとえでも用いられるようです。
戦国時代、川中島合戦での上杉謙信と武田信玄の一騎打ちは有名ですが、こんな逸話があります。
謙信が信玄に斬りかかった際に、
「如何なるか是れ剣刃上の事(私に一刀両断されたら、お前はどうするのだ)」と、死をどう受け止めるか問うたのに対し、
信玄は動じず鉄扇で剣を受け止め「紅炉上一点の雪」と答えたそうです。
死への恐怖もなく、生への執着もないのだと。達観した答えですね。
また、掛け軸の右側に飾られているものは、シダ植物の日陰蔓(ひかげのかずら)です。
山野に生え、変色せずいつまでも美しく鮮やかな緑を保つことから、古くから神聖な植物として日本の神事で使用されてきたそうです。古事記や万葉集にも登場し、現在も京都の大山祭で見ることができるとのこと。
今月はいつにも増して沢山の歴史に触れることのできるお稽古でした。先人に想いを馳せる、楽しい一時となりました。
それではまた2月にお会いしましょう。

