✩ロミオとジュリエットを振りかえって✩ | いしだ壱成オフィシャルブログ『Arrivals』powered by アメブロ

✩ロミオとジュリエットを振りかえって✩

ゲスト出演二発目♪♪

別世界カンパニー

『ロミオとジュリエット』@明石スタジオ 

先日無事に千秋楽を終えました。

沢山の方々のご来場誠にありがとうございました。

また、一部のファンの方々には知れていましたが
本番前の通し稽古中に接触があり、舞台から転落してしまい右脚に結構な怪我をしておりました。

ですがファンの方々や関係者の方々の激励や、座組みの皆様またスタッフの皆様の手厚いサポートのおかげで、全公演を立つことが出来、本当に申し訳ない気持ちと感謝の気持ちで一杯です。

ご心配をおかけして、申し訳ありませんでした。
そして、本当にありがとうございました。

どうしても先に申し上げておきたかったので、
この場をお借りして失礼いたします。

重ねて、本当に感謝致します。

さて、別世界カンパニー。

やり方は全く違いますが劇団山本屋と同じく、
若手育成に力を入れているカンパニー。

去年は新撰組のお話でご一緒させていただきました。
その後、わりと早い段階で今回のお話を頂き出演の運びとなりました。

言わずもがな、ロミジュリはシェイクスピアです☻

思えば去年の暮れには青森県弘前市の弘前学院大学礼拝堂で、ロミオをやりました。

あんな大雪の最中、あんなにも沢山のお客様が礼拝堂に詰めかけてくださって、兎にも角にもそれが本当に嬉しかったのをよく覚えています。

今回は二度目のパリス。

弘前の時も前回パリスをやったルドビコ★の時も、
脚本そのものはオリジナルの流れを踏襲しながらも
時代設定や台詞は劇作家のオリジナリティがかなり盛り込まれていました。

読んでいてもやってみてもシェイクスピアをやっているという感はあまりしていなかったのを覚えていて、それはまたとても楽しく新しい経験でした。  

比べると、否、比べるのは無粋かもしれませんが、
今回の別世界さんは比較的オリジナルに忠実だったように思います。

しかしながら今回は二幕構成。 

『中世編』


『幕末編』

二つの台本がありました。

幕末っ!?

最初に作演出の伊木輔さんからそのお話を聞いた時は
二度見するくらいびっくりしました(笑)

中世‥はわかります。超、オリジナルです。 

台本も流れはオリジナルのきっと作演出のご本人が好きなシーンを織り交ぜながらの起承転結。

なかでもパリスはいわゆる貴族です。

まぁ登場人物は殆どがブルジョアですが、ともかくパリスは経済に困窮したキャピュレット家が娘ジュリエットを何が何でも嫁がせたい相手。 もちろん娘の気持ちなど蚊帳の外。

忌憚なくいうならば政略結婚、ですか。 

だけどもパリスは本気でジュリエットに惚れていたりして‥それが終盤にロミオとの決闘につながるのですが。 どれも有名なシーンばかりですが、ここもそうかもしれません。

クライマックスへのブレイク明けからのアオリ!!みたいな(笑)DJ風に言うと?ですか。

台詞まわしや、なんというか所作?なんかも中世ヨーロッパの貴族の振る舞いを心がけながらやりました。

もちろん舞台はヴェローナ。  

うん。生粋のロミジュリ。 

からの幕末。

ご覧になった方々はお分かりかと思いますが、当然、ちらほらと設定や台詞の言い方を変える必要がありました。

語尾は、ほぼほぼ『~で御座る』や自分を指す時には私ではなく『拙者』あるいは『某(それがし)』だったり。

愛している、ではなく、慕っておる。とか。

台本の流れは些細なところでの違いはありながらも殆ど同じ起承転結ながらも、通してみると話そのものや役柄の設定に至るまで結構な変化をつけたくなってしまい‥

結果、違う人物を二人やる。

に近くなってしまいました(笑)

ほかのシングルキャストの方々も似たような事を言っていました。

なんだか、全然違う物語をやっているみたい!

と苦笑いがそこかしこに。

そんな背景がありながら、中世~幕末と二つの
ロミオとジュリエットをお届けしました。

やる側としては一見ややこしい事が多いかと思いきや、結構それがスリリングでワクワクというか。

刺激があちこちに、というか。 

久しぶりにジェットコースターのような気持ちで舞台をやらせていただきました☻♪♪ 

何と言っても、若い新人さん達やこれから役者を目指して顔晴っている方々とご一緒させて頂くのは、とてもとても貴重な経験でもあります。

僕は何を言うわけでもないですが、他の子達の演技を観て気になった箇所があればプランを聞いてやりづらさを解消するお手伝いをしてあげたり、殺陣など初体験の子も多々いらっしゃったので決めのポーズがカタチ的にサマになる様に演出の許す範囲で変えてあげたり。

全部が全部でなないけどそれらを試しにやってみた子が『急に気持ちがノッてやりやすくなりました!』と言って本当にやりやすそうにのびのび演技しているのを見ると、とても嬉しいものがあります。 

中でも印象深かったのは、パリスの従者(家来)、アイル役(大滝鷹也くん@中世編) 同じくティズベ役(矢崎彩音ちゃん@幕末編)の二人の本番中の眼が回を重ねるごとに変わって行くのを見れたのは本当に嬉しい、の一言でした。 

特に出番前に何も打ち合わせなどしておらず、僕の勝手なエゴでもありますが『舞台上で何か相手役から感じたものがあれば、その気持ちをそのまま表現してほしい』というところから始まり、試しというか何かを汲み取ってくれたら有難いと思い、あるシーンのソデで泣きながら待機しながら泣き止むか否かのところで、舞台に出て行くという芝居にある日変えました。

二人はそれぞれ、家来と従者ですから当然パリスが涙を拭いながら歩いて来る後ろを従えています。

自分のやった芝居をあーだこーだいうのは好きじゃないですが、まぁ続けると刹那パリスが振り返り『花をくれ』と手を伸ばします。そこで不意に彼らの手を握ってみました。

その後は台本上、わかったな?言う通りにするんだぞ、行け。でした。確か。

その最中に彼らの手を握ったまま、ここまで共に来てくれてありがとう、という役の気持ちを手の握りとそれでも溢れ出る涙とで伝えてみました。

最初は段取りにはなかったこと。

ひと昔前でいうと、演出に刃向かってみる。

ということですが、許容範囲の広い演出家さんなのでやってみようと思いました。

さて、二人とも突然手を握ったのでかなり戸惑いを見せていました。 それもリアルといえばリアルにもなります。役から抜けていなければ。

だけど、アイルの眼にすぐ様、光が宿ったのを見て

よっしゃ!!

と思いました✩

ティズベも同様でした。

その後の二人のお芝居。

パリスがロミオとの決闘に敗北し、血を流して倒れているのを発見して泣きついてくるシーンの彼らの熱量がぐんぐん上がって行くのを死んで倒れていながらもヒシヒシと感じて‥

お芝居のやり方は数万通り以上あるけど、とにかく心と心で繋がるやり方を例え本番の最中であろうと体感してほしくて、それを意識してかしてないかわからないけど彼らがしっかりと受け止めて自身のお芝居に反映させてくれたことが本当に嬉しくて。

ほんの些細なことですがそれがまた僕自身の糧になり、勉強になり、これからに繋がる、のかな?と思いました☻♪♪

そんな公演でした✩

長々と失礼をば♪♪

そろそろ満月も終わりかなぁ☯

読書の皆様、どうぞ佳き夜を。


愛をこめて


壱成