西へ! | いしだ壱成オフィシャルブログ『Arrivals』powered by アメブロ

西へ!

とにかく遠くへ!とにかく西へ!

一号機水素爆発の最初の報道が出たときに、自分が誰それ構わず電話口で叫び続けていた事だった。

西へ!逃げられるなら西へ!

自分はともかく、現状が心配で電話のかかって来る人間には必死でそう言い聞かせた。

同じくらい『逃げろ』と言ってくれる人も多かった。

それまで、埼玉の山の中に根を張って暮らしていた友人は長野のどこかのパーキングエリアから電話をかけてきて僕にものすごい剣幕でまくし立てた。『一号機が爆発してすぐに家族を全員ワゴン車に乗せて高速に飛び乗って逃げた、とりあえず西に、上関を目指していくけどその後は分からない、ラジも逃げられたら向こうで!』と言って、ひたすら西へと走って行った。そんな家族が他にも数家族いた。勿論、海外へと旅だって行く人も居た。当然の選択だと思った。

僕は結局そうしなかった。そう出来る状況ならとっくに逃げていた。

ただ単に芝居の稽古中で、数週間後には本番があった。それだけだ。
逃げる逃げないで慌てたは慌てた。真剣にこれは国家非常事態かもしれないと何度も思った。

だけど、結局は逃げなかった。
そして、国家非常事態にはならなかった。

それにどう線量が多かろうが高かろうが、東京に居ようが内部被曝だけは徹底的に防ごうと思えばやれないこともない。少なくとも何もしないよりはましだ。

外に出るときはマスクと帽子をマストで着用。玄関ドアと窓にはガムテープなどで目張りをする。

帰宅後はまず玄関で衣服をすべて脱いでそれをゴミ袋へ入れてぎゅっと縛る。放射性廃棄物を扱う感覚で。

家の外に出せる状況なら洗濯をする時までベランダなり玄関外に出しておく。放射性廃棄物だから。とにかく家の中に放射能を持ち込まないというのが鉄則中の鉄則だった。洋服とはいえ外気に触れると被曝するから洗濯物はもちろん部屋干しで。

すぐにシャワーに直行して特に髪の毛を入念に洗う。シャンプーは使うが、コンディショナーは使わない。毛髪に放射能がくっつきやすくなる習性がコンディショナーにはあるという。シャワーを浴びるのは、放射能は水に弱いという習性があって簡単に洗い流せるからだ。

それで初めて帰宅完了ということになる。

それらをこなしてはじめて、ただいま!となる。そう考えると、面倒だった。本当に面倒くさかった。外出はよっぽどの事が無い限り絶対に控える。外出をする時は被曝するものだと思って外に出る。なんて大袈裟なことを‥と一定の人からは思われていた様だけど、こればかりは人間同士のものの見方のことだ。当然認識の違いは、ある。自分がそのとき当たり前だと思ったことを他人もそう思うとは限らない。

だけど僕は物事のリスクを多めに見積る方だ。
特に今回は原発事故についての対応や報道の様子が一定の期間おかしかったから尚更だった。

菅前総理も先日の会見で仰っていた様だが、首都圏も全員避難だと僕も当然のように思っていた。フランス政府は速刻日本に居たフランス人全員をエールフランス航空機のチャーター便を出してまで一旦自国に避難させている。当然だ。

ひとまず300kmより外へ、そこで様子をみる。
もし、プルサーマルをやっている三号機に何かあった場合は800kmと自分のなかで設定した。
事故当時は報道されなかったが、その三号機も現在メルトダウンしている。
ともかくあの地震活動が収まりきらないうちはどうしようもなかった。
西へ、と逃げていく人びとには言い続けた。

首都脱出。

何万もの人びとが避難する様を思い浮かべた。あり得なかった。

まさかそんなことを考えなければならなくなったとは。本当に言葉が出なかった。これからのこと、これから起きてしまうであろうこと、起こってしまったことを考えると、本当に言葉が見つからない。それ程に大きな事。

無論、皆さまもご周知の通りだ。

もし謝って済むものなら、いくらでも土下座したいと思った。文章に書いてしまうと妙だけど、以前から原発というものを認識していて、反対していた立場の人間だったら、きっと嫌でも心からそう感じると思う。

だけど、起こってしまったことを悔み嘆いていても何も始まらないし、何も進まない。たとえば芝居や音楽を生業とさせて頂いていたからといって、一人の一般市民だ。

前向きに言うなら、ポジティブに、クールに考え、的確に、狡猾に、合理的に放射能と向き合い共生していく時代になった。

時々信じられなくなるけど、そうなってしまった。ともかく先の事を考えなければならない。次の世代のことを考えなければ。

その次の次の世代のことまで。僕たちがしっかりと自分たちの脳みそで考えよう。

今回の原発事故の被害を一番くらってしまうのは、僕らの子どもの世代と、そのまた子どもの世代だろう。

何が起こるか、ここには書かない。悲しすぎるから。

今の僕らに必要なのは、きちんと適切にびびることと、陽気に心身ともに元気で居ることだ。

お子さんがいるお父さんお母さんは尚更に。

元気、元の気、人間本来の気で居ること。笑顔は放射能を蹴散らすともいう。

ジレンマがともなう作業だけど、やってみる価値は充分すぎるほどにある。
収束の成り行きによっては七世代ほども続いて行く汚染だ。

僕らの世代が出来ること、次世代に残せることをやっていく。自分たちで。

放射能と共生する時代。

今、生き残った人々が手を取りあって乗り越えていくべき課題は途方に暮れるほど存在する。これからもどんどん増えてくるだろう。

自分が好きな言葉で『足は大地に、胸には愛を』というのがある。

もうこうなると何がどうしてとか理屈では無く、そう感じた。自分の出来ることを、一緒にシェア出来る人たち同士がどんどんつながりあって、各自の得意分野を活かせるポジションでやっていくし、実際どんどんそうなっている。

恐ろしいほどのスピードで、あれから時間は進んでいる。もう半年という時が流れた。

そして同じくあれから何も進んでいないのは、東京電力福島第一原子力発電所の事故処理だと思う。

被災地よりも遠い街は元に戻りつつあると感じる。
戻りつつあるどころか、むしろすっかり無かったことになっている感すらある。

勿論、敏感な人は敏感だ。
そんな心強い人々は今や日本にたくさん居る。

だけど、先日名古屋に暮らす友人は、原発事故はとっくのとうに収束したものだと思っていた。
しかも真剣に。一応自分の知りうる限りでだが、そうでもない現状を伝えると一瞬きょとんと目を丸くして、直後に誰かに電話をかけて『危ないから!』と諭していた。
近しい人が関東あるいは東北に居たのだろうか。
びっくりする気持ちも分からないでもない。でも、本当のことだ。

なぜか無関心な人が多い。単純に興味がないか、あきらめているか、葛藤しているか、知らないかだけだと思うけど不思議なことだとも思う。だから改めて思いかえしたい。忘れてしまってはいけない。あのときに感じた『あの感じ』を。

原発事故については一体何から書いて良いのかわからない程の有様だと思う。
少なくとも『今』の時点で、人類史始まって以来最悪の原発事故だとはっきりと言える。
被害の大きさもすでにスリーマイル島やチェルノブイリの比では無いということと認識している。

事故のリアルな状況が今いちハッキリ見えてこない。放射能汚染についてはあまりに放射性物質が拡散し過ぎた為、測定や除染の具体的なことも国ぐるみとしてはどうやら機能していない様子だ。

汚染されてしまったそれぞれの地域では、その地域ぐるみのこととして放射能測定や除染などの活動を自主的にはじめた街や自治体もだいぶ増えて来て、非常に心強く感じる。

そして肝心の東京電力福島第一原発の現場の正確な状況はどうか。
個人的にはもしかしたら東京電力も手を出せない状況になっていると思っているがどうだろうか。
そうなってないことを切に祈っているが、もしかしたら技術的な、もっというと人類の持てる叡智の更に限界を超えた部分に直面しているのではないか。

炉心溶融、もう皆さんも見たり聞いたことがある筈の文字だと思う。

英語でいうとメルトダウン。どういうことかというと、水が目一杯に張ってあるべきの原子炉のなかが空焚き状態になって、本来は冷やし続けなければいけない燃料棒という核燃料がぎっしり詰まった大きな棒が熱されて内部の燃料ごと溶ける。溶けて燃えながらぼとりと鋼鉄のいわば水槽の底に落ちる。既にこの時点で想定し得る被害は、もうヒロシマやナガサキの比ではない。

とにかく絶対に原発ではあってはいけないことだ。スリーマイル島やチェルノブイリでもこれが起こって大事故になった。原発事故の最終形、メルトダウン。

それだけでも充分にまずいのに、それだけでは止まらずに今度は溶けた燃料が先の水槽、分厚い鋼鉄で出来た原子炉格納容器という大きな釜をその内部からズブズブと溶かし始めたという。

ハワイのキラウェア火山をどろどろと流れる溶岩流を想像した。
あの、大地を溶かして流れる溶岩流。その溶岩が核だったら。
まったく新しいタイプの原発事故、そして桁外れの放射性物質の拡散。

あまりにも日々の状況が変動し続けるし、新しいニュースもどんどん入って来るので正確な日付けは覚えていないが、ふと目にした記事で燃えた核燃料が格納容器を貫通した。とあった。
そうなると『メルトスルー』という呼び方になるという。

正直僕自身、今回の原発事故でこのコトバを始めて知った。
この事態に遭遇すること自体が人類史上初、なのだそうだ。

想定していなかったのか、とかそんな議論は今はあまり意味が無いから起こったことだけで今の状況を読んで行く。

メルトスルーが起こった。ということは鋼鉄の釜が破られた。

勿論設計上では原発はメルトダウンしてもいい様には作られていないので当然その鋼鉄製の原子炉の釜の下の階にあたる天井の材質自体は、普通のものだという。多少は厚いのだろうが、釜に比べたら当然はるかに薄いし材質も脆い。そもそも核燃料が落ちてくるなんて設計上であり得ないから。

そこへ、核燃料がぼとりと落ちた。

こんなことがあっていいのか。

あるニュースでは格納容器の下に数センチほどの穴が空いている、と言っていた。

だが現場は人が近づけないほど高濃度の放射能汚染と未だ鎮まない地震活動の最前線にあって、強い余震が何度も何度もやってくる。特にこの頃は福島沖や浜通りの地震が異様なほどに活発だ。

その度に作業もストップする。そんな中で原発なんていうとてつもない大きさの精密機械の復旧作業をするのは極めて困難だろう。しかも常に水素爆発や大量被曝の危険と隣合わせだから尚更だ。

そして、とうとうメルトスルーした燃料が手の打ち様もなく原子炉建屋の地下を突き破って大地にめり込みはじめたという。

今のところ、このことについての最新のニュースは『格納容器から溶け落ちた燃料の一部が地中に埋まっていってそのままどこへ行ったか分からなくなった』とあった。しかも、その溶けた燃料には猛毒のプルトニウムも含まれるという。

そしてそのもう一段階先の状態のことを『メルトアウト』というらしい。
そんな言葉まであったのか。プルトニウムを含んだ核燃料が地中にめり込んでいく。
地層深くまでめり込んでいって、いずれは地下を流れる水脈や更に深くマグマの層まで到達する。
この状態をメルトアウトという。想定の域を完全に脱した。
こうなるともうどうやってそれを止めるのか、さっぱり想像がつかない。

専門家の方々は『一刻も早く、地下ダムと汚染水をくい止める遮水壁を!』と声高に叫んでいる。

一方で、その現場にはすでに人が近づけなくなっているとも聞いた。
毎時1万マイクロシーベルトという近づけば即死に至る線量が計測される箇所が一号機と二号機のそばで何箇所も発見されているという。これでは進むものも進まない。どうにかならないものか。

大気中に巻き上げられた天文学的な量の放射能が、太平洋をはるかに越えてアメリカから地球の反対側の中国にまで達する。あるいはめり込んだ核燃料が、どんどん地中深くまで燃え盛りながらくい込んで行って、とどまるところを知らずに地球の反対側まで到達する。70年代かその頃にそうなる事を畏れて『チャイナシンドローム』とそういう言葉が作られた。その言葉自体もともとはアメリカンジョークだったらしいが、そういう名前の映画も製作されたほどで、僕は小学生のころにおそるおそる観た。おそろしい映画だった。

http://ja.wikipedia.org/wiki/

チャイナ・シンドローム_(映画)

現在、福島第一原発にはフランスのアレバ社をはじめ海外の多くの原発関連企業が放射能除去装置などの機材を数多く提供していて、漏れ続けている汚染水の浄化や除染をしているという。

原子炉については冷温停止を視野に入れてどうこうというニュースを見かけるが、冷温停止はあくまで普通の状態で運転されて来た原発に対して行われるものであって、事故を起こした原子炉に対して使う技術ではないと、京大助教授の小出裕章さんは唱えている。

僕も勿論そう思う。同じクルマのエンジントラブルでも、それまで普通に道路を走って来たクルマのエンジンを治すのと、事故って車体がぐちゃぐちゃになったクルマのエンジンを治すのとではワケが違う。しかも日本の場合、修理をするのは四台同時にだ。スリーマイルやチェルノブイリのときにはそれぞれ一台づつだった。

一見すすんでいるように思えるが、実際は徹底的に進んでいない。

チェルノブイリは事故後、約二週間で事故そのものは収束した。
むろんいまだにベラルーシなど当時の風下にあった地域での被害は出続けているが、それは収束した事故現場近くでその後から今まで起こっている被害の話だ。

東京電力福島第一原発は事故から約半年が経っているが収束はしていない。
そして年間被曝量をこえた為に、相次いでベテラン作業員がリタイアするという過酷な現場環境下。

実際の作業は果たしてどうなのか。

進んでいると信じたいが、例えば『今日も作業は順調で、汚染水約何トンの浄化を完了しました。細かい詳細は下の図をご覧下さい。明日からは残り何トン浄化率アップ目標に臨んで行く様で、政府及び東京電力によると、一号機から三号機、の各炉心内の燃料棒の溶融については概ね止まったとのこと。四号機についても本日をもって安定的に収束したことをここに報告します。細かい残りの作業行程の効率を上げつつ、事態を一刻も速く収束させる。次の工程状況は速報が入り次第~』みたいなニュースが全く無いところを見ると、冗談抜きにそんなニュースはないのだろう。

繰り返してしまうけど、今一番嫌なのはその地中にのめり込んでいる漏れた核燃料が、そのまま地面深くまで大地を溶かしながらズブズブと落ちていって、地下水脈に到達してしまうこと。

聞いた話で恐縮だが、地震大国で火山活動の多い日本の地下水脈はとても不思議な作りをしていて、列島のあちこちの地下で水脈がつながっているという。一旦核燃料が福島第一近辺の地下水脈に到達したとすると、なぜか日本中のまったく関係のない筈の地域、例えば四国や九州や本州西側や北海道の地下水まで汚染が拡がってしまう、という事が起こり得るようだ。日本中の湧水がランダムに高濃度汚染される。

このあり得ない状態が、今現在進行形。
このことをまずもう一度、改めてお知らせしたい。
不安を煽っているつもりは、まったく無い。

普通に考えれば、メルトダウンを起こしただけで世界中にあるどこの原発だろうが大騒動だ。

もしこの震災がなかったと仮定すればだが、日本のどこかの原発の使用済み核燃料プールの水が少し漏れただけでも新聞が大騒ぎするニュースになる。

だけど、現状は皆様ご周知の通りだ。
ほとんど忘れかけられている。

だけど、原発事故はそんなに甘くないしこれからが本番だと思う。
だからどうか放射能というものを甘くみないでほしい。将来の為に。

福島第一原発は廃炉に入れる準備が整うまで最低あと7、8年から20年。

日本全国の原発が仮に今日即時廃炉決定になったとしても、それぞれちゃんと止まってくれるには10年近くはかかるだろうし、廃炉にしてからも当面は手間暇かけて何年も面倒を見ないといけない。作るのはとても簡単かもしれないが、後始末が無茶苦茶に大変だ。

何より日本は核のゴミ捨て場である六ヶ所村を持っているから、10年20年どころか最低でも300年から400年は安全に放射性廃棄物を汚染の問題を管理しないといけない。

もっとだという声もある。何万年だ。二万年から四万年だとも。

それは今回の原発事故や震災を差っ引いて考えても、マストな事例としてこの日本に存在していた。

そして放射能拡散でいえば、もうそれこそ惑星的に見てとんでもないことになっている。

このままおびただしい量の放射能を海や大地や空に撒き散らしながら暴走するパワープラントと化してしまうのではないかと考えるだけで身の毛もよだつ思いがする。

事故当初と何ら状況は変わっておらず、むしろひどくなっていてもおかしくないとも考えている。

そんな人間がここにいることをいま一度、どうか認識していただきたいと思う。

ここまで被害が大きくなるともう日本全体の話になってくる。
検討あるいは実施されている汚染された瓦礫や汚泥の全国への拡散や食品での拡散の事までも考えると、もう全国レベルの話だ。

北海道だから、とか九州だから、関西だから、という話ではなくなってしまう。
このことも早いうちに考えないといけない。市民が声を上げていくしかない。

原子力施設が多い日本では、ただでさえ線量も高かった地域もあったし、それぞれの地域でずっと前から被害も数多く報告されて来た。そして日本という国はもともと地震が多くて、原発を建設するには何をどう考えても向いていない。

そこに未曾有の原発事故が起きた。

そして何が起きても、起こったことには対処するしかない。

色んな垣根を超えて、自分たち自身でも手分けをして身を守らないといけない。
待っていないで自分たちからどんどん動かなければと思う。
相手が放射能となるとまったくもって面倒な話だけど、それが現実に起こっているならば出来る限りの防御はしたい。

そうなると、心配するべきはまず内部被曝ということになる。
気にかけて放射能を身体に出来るだけ取り込まない方法をとる。
妊婦さんや女性、そして子供たちは出来れば自然食を心がけてほしい。
オーガニックフードとかマクロビオティックとか自然食と言われているものだ。

基本的に玄米食になるが、たまたまだけど自分が子供の頃に家がそうだった。

家で食べる米が玄米ですごく嫌だった。だけど、玄米は放射能に強い身体を作る。味噌汁も効果が高いという。いやいや食べていたが、きっと皆さんのお子さんたちは僕よりは遥かに聞き分けが良いと信じつつ、楽しくみんなで知恵を出しあって、この先の厳しい時代を少しでも皆様のご家族が心身ともに健やかにがんばって頂けたらと心から願っている。

(後日注:本来玄米には放射能への耐性が強くなる身体を作る成分が含まれているけど、表皮に放射能が溜まるという厄介な特性をもっている為、今回のケースでは今後の米の汚染状況や産地、生産時期を各々確かめて頂いた上で、場合によっては精米して白米にすることを奨励します)

日本は地域によってセシウムなどで水道水も汚染されているから生水を沸騰させない方がいい、という場合もある。放射能がまじった水を火にかけて沸騰させると面倒な事に放射能が増殖する。そういう習性もあって調理法も変わってくると思うから、とてもややこしいけどその辺のこともみんなで手をとりあって情報交換していきたい。皆様のお住まいの地域の身近なところにもそんなサークルが出来ていったらどんどんと話が速くなる。

もちろん、すでに敏感になっている方々も多数いらっしゃる。
本当に有り難い限りだ。

もう一つ、先にも挙げたが僕が震災以降に一番びっくりしたのは世の中の人々の関心度というか危機感の無さだった。

例えば東京の渋谷区でわりと線量の高い日に誰もマスクをしていない。
交差点を行き交う人々のほぼ全員が、していない。
世田谷区の景色のいい公園、笑顔を浮かべて午後の散歩をする妊婦さん。
放射性物質の飛来がひどい北風の日に。
とくに放射能が溜まりやすい砂場で遊ぶ子供たち。談笑する親たち。
ブラックレイン。黒い雨ともいうけど、放射能が混じった雨がしとしとと降る文京区の小さな神社、気持ちがいいのか境内をびしょ濡れになって走りまわる子供たち。
放射能を本気でこわがるなら、一番してはいけないことだ。
胸が張り裂けそうになる。それだけでやるせなくなる。
叫びたくなる。原発さえなければと。

一体どうすればいいのか。そればかりを自問自答する日々だ。

さて、まだ書きたいことの千のうち二か三くらいだが地震も多いなか、皆様のこれからものご無事を心よりお祈りすると共にこれくらいにしようと思う。

ブログに書ききれないこと、汚染に関連して起こっている細かなこと、数字的なことや技術的や事例的なこと、その時代での生き方の提案や身近で出来る放射能対策などについてはまとめて今、自分の著書を書いているので、出版社が決まり、出版され次第そちらを参照いただければ有り難いと思う。

まずは自分が出来ることを考え、感じ、共感していただける方々と一緒に、絶対にあきらめずに一日一日を大事に生きて、戦っていこうと思う。一人の人間として。

ありがとう。いつも本当にありがとう。

もっともっと、どんどんつながってシェアしていきたい。

みんなのアクションはもう小さくなんか無い。みんなの声はもう小さくはない。
一人の声は集まれば、大合唱になる。でっかいでっかいみんなの想いを唄った一つの歌声。
それはどんなに壮大なメロディーを奏でるのだろう。

いま、この時代だからみんなが心から唄うこの歌を、またほかの方々に届けていきたいと心の底から思います。

そして最後に、線量の高い地域に住んでいるお子さんがいる方々で、出来る方々はどうか今からでもそうでない地域に移住か疎開を。

ご家族との意見の食い違い等、いろいろな葛藤があることと思います。でもお子さんの為を想い、ご自身で考え、そう感じたならどうか勇気ある行動をお願いします。愛を込めて。


NO NUKES ONE LOVE 2011.9.30


壱成