サッカーお馬鹿の独り言。 Go Samurai Blue!! | いしだ壱成オフィシャルブログ『Arrivals』powered by アメブロ

サッカーお馬鹿の独り言。 Go Samurai Blue!!

ついに昨日、サッカーW杯日本代表メンバーが発表された。

きっと、今日明日のニュースの話題にも沢山上ることだろう。

今回はノーコメント覚悟の超自分勝手超自分主観なサッカー話をちょっぴりの毒舌?も
交えまがら書いていきますので、最後までどうかよろしく。

・・で。

どうだろうか、日本代表。

きっと皆様それぞれに思うところはあるでしょう、誰それのが良かった
のでは?誰それはどうなんだろう?などなど。

印象としては、やはり。と思う選手が選ばれていた。
メディアではGKに川口選手のエントリーが意外!という
声が多かったとあったというが、僕は「さすが岡田監督」と
思った。

ヒデ以降、絶対的なキャプテンシーを発揮する選手が、
なんとなーく・・いないなぁ。

・・と思っていたので、ここへ来てピッチ外のことも
想定しての(おそらく)川口選手の選出。

なるほど。

中盤はやっぱり海外組主体か。
経験を買って、なのか。
安心感とかあったりするのかな。

個人的には松井大輔選手が入ってくれたことが嬉しかった。
あのトリッキーなプレイは単純に観ていて楽しいし、疲れてきた時間帯に
ああいう動きをされると相手DF陣は混乱に陥りやすいのでグッド。

FW陣も今でいうならばこのメンバーでしょうなぁ、と思う選手が
ずらりと並んでいてここもまぁ言ってみれば順当な選出。

3バック導入も見越してか、DF陣はここも盤石の体制。

と、ここまではいいとして、まずはグループリーグ突破。

日本のことはともかく、グループリーグを戦う相手国を順に
見ていこうかと思う。

・・っていうか、いきなりなんて顔あわせになってしまったんだ!?

って、ずっと書きたかった。(笑)

カメルーン。デンマーク。で、オランダ。

ああ、なんてこった・・オランダと同グループなんて。

嬉しい様な、いや、やっぱり恐怖である。

勝ち目が無い訳ではない。

が、勝つのはかなり困難であろう。

今のオランダはバルサ並みに安定して強い。

ひと昔前、「無敵艦隊」を擁するスペイン人たちからも
「ナランハ・メカニカ」、直訳すると「オレンジ・マシーン」と呼ばれ、
恐れられた超機械的な攻撃サッカーをするオランダ代表が戻って来た。

戻って来た、というよりは元々そういうプレーを好んでいた
オランダ代表チームの調子ががんがんに良くなって来ただけの
ことではあるが、とにかく、相当に嫌な時期のオランダと
当たってしまった事だけは間違いない。

観ている方にとっては楽しいのであるが、戦う方にとっては
べらぼうに嫌な筈だ。

おそらく、98年フランス大会と同様か、もしくはそれ以上の
パフォーマンスを本大会では繰り広げるであろうオランダ。

見たところ、穴は無い。針の穴ほどの穴もまったく無い。

何せ主力メンバーの調子が良過ぎるのだ。

ウェズレイ・スナイデル、アリエン・ロッベン、ロビン・ファン・ペルシ、
ラファエル・ファン・デル・ファールト。

いずれの選手たちも若いながらも、既に各所属チームでは
確実に成績と結果を残し、チームの中核となっている優秀な選手たち
ばかりだ。

今年初旬に行われた日本対オランダのフレンドリー・マッチ。
僕はダイジェストと文字でしか情報を得られなかったのだが、
知人を通して結果とあちらのメンバーを知った。

知人曰く「オランダは2軍以下の面子だった」、の2軍以下に
大量失点を喫しての敗戦。

やっぱり、というよりは落胆の方がでかかった。

そもそも、オランダという国の代表チームはフレンドリー・マッチと
なると「流して」試合をするケースが多々ある。
流してくる位だから、勝利をもぎとるというよりは自分たちの戦術を
確認しなおす、という様な印象だ。

そんな、フレンドリーというより完全なるテストマッチとなってしまった試合
で何点もゴールを許して負けてしまうのは非常に忍びない。

そういう「流す」傾向にあるオランダだが、相手によってはフレンドリー・マッチ
だろうが何だろうがドロドロの試合をすることもあった。

サッカー欧州選手権2000年大会、俗にいうEURO2000の本戦直前の
試合だ。

相手は共同開催国、ベルギー。

オランダから見るとベルギーは隣国。となり、つまりはライバル国に
なる訳だが、結果からいうと、5-5ドローという滅茶苦茶な試合であった。
スコアだけ見ても滅茶苦茶だが、試合内容はもっと滅茶苦茶だった。

何もそこまでやんなくても、っていうか怪我でもして本戦に出れなくなったら一体
どうするんだ!?というこちらの心配も全く蚊帳の外。

監督に就任したてのフランク・ライカールトが試合中に時折見せていた
汗みどろの苦笑いを今でもよく覚えている。

うろ覚えではあるが、イエローカードが18枚ほど。
レッドカードも相当に飛び交ったのではなかろうか。
サッカーの試合というよりはボールを使ったただの喧嘩だった。

あの頃のオランダ代表は血の気が多く、エドガー・ダーヴィッツを
はじめとする選手たちもどちらかというと感情に左右されることが
多かった様に思う。

パトリック・クライファート、ヤープ・シュタム、ボウデヴィン・ゼンデン、
そして我が永遠のヒーロー、フィリップ・コクー。

ただでさえ血の気の多い連中だったが、あの試合に限って言えば
「チンピラ」そのものだった。

守る。ということを一切しないサッカーの試合ってこうなるのか。
を地で行く試合だったのだ。

おそらく両チームとも試合中のほぼ全時間、DFラインはハーフウェイ辺り。
いくらなんでも攻め過ぎだろう、と思っていたらそんなことはどうでもよかった
らしい。

不用意なタックル。反則すれすれどころか、間違いなく一発レッド確実の
プレー。一触即発の殴り合い。裁く審判もたまったものじゃなかっただろう。

そんな当時のオランダ代表もユーロ本戦に入ったら、快進撃。
準決勝でイタリアの前に屈するまではべらぼうな勢いで勝ち進んだ。

と、ここからがある意味オランダの伝統なのだが、優勝だけが出来ない。

オランダ国民全員、いや世界中のサッカーファン全員が頭をかしげたくなるほどの
奇妙な「伝統」である。

要は心理戦というものに非常に弱さを露呈してしまうのだ。

準決勝イタリア戦、前半20分あたりでDFザンブロッタが退場。
残りの全時間をひとり少ない状況で戦わなければいけなくなってしまったイタリアに
対して、オランダは当然攻め続けた。だがイタリアといえば「守備」に関しては
右に出るものはいないほど、守るということには長けた国だ。

まさに攻撃対守備、の観ていて一番疲れるタイプの試合だった。

攻めても攻めても、一行に得点出来ないオランダはやはり焦り始めた。
先陣を切って焦っていたのは、攻撃の要、パトリック・クライファートだった。
まず最初に一番落ち着かないといけないポジションの選手だ。

きっとイタリアの選手たちの思う壷、は彼だったのだろう。
クライファートの焦りはすぐに他の選手たちに伝染し始めた。
段々とクライファートやデニス・ベルカンプにボールが渡らなくなり、
それこそマルク・オーフェルマルスは無駄なドリブル突破しか目に
入らなくなり、コクーお得意のロングシュートも枠どころか場外ホームラン。
F・デブール率いるDFたちも無意味なロングボールを前線に放り込む事しか出来なくなり、
ディフェンスラインはカウンターを狙うイタリアにとっては絶好ともいえる
ハーフウェイあたりにまで上がって、そこでぴたっと止まってしまった。

ラインの上下動とポジションチェンジを頻繁に繰り返し、相手を混乱に陥れ、
極力ダイレクトでボールを捌き、スピーディーかつコレクティヴに得点する。
という、オランダ本来の伝統であるトータル・フットボールという概念は
全く見る影もなかった。

じりじりと時間ばかりが経って、延長戦に入った頃には一人少ないイタリアではなく
むしろオランダの方が疲れきっていて、それでも決着がつかずPK戦に入ったあたりの
オランダの選手たちの表情といったらまだ勝ち負けも決まっていないのに、
全員が落胆し、白旗を頭の上でぶんぶんと振っている様な有様だった。

結果はいうまでもなくPK負け。
あれではある意味、当たり前だった。

完全に心理戦にさせられてしまったのだ。

ああなるとオランダは脆くて弱い。

それを踏まえてなのか何なのか、今のオランダ代表の選手たちは非常に
「優等生」タイプが多い様に感じる。

元々優等生タイプの選手を数多く輩出しているお国柄ではある。
だが、ダーヴィッツやクライファート等、優等生出身の血の気の多い選手が
多数存在した当時のオランダよりも今はもっともっと優等生を貫く選手が多い。

前述した若い選手たちが、その典型なのだからこれもこれで質が悪い。

泥臭い要素はこれっぽちも見当たらないのだ。
もう少し、泥臭くても良いのでは?と思うほど、スマートなサッカーをする。
勝ちとか負けとかでは無くて。

そこが恐らくは優勝出来ないという裏の伝統に拍車をかけている要因では
ないのかと思うのだが、これを黙認するオランダ国民にとっても勝敗の行方は
あまり重要なことなのではないのかも知れない。

ヨハン・クライフが掲げた「美しく勝利せよ。無様に勝つくらいなら美しく負けるのだ」
というスローガンというか美学の影響は歴史を超えてあまりにも大き過ぎたのかも
知れない。

そう考えると寂しくもなるが、これもお国柄である。

あんなに汚い勝ち方しか出来ないなら、華麗なサッカーを繰り広げて
負ける方がマシ。

と考える国民性。確かに分からなくもないが、毎大会優勝候補筆頭に
挙げられてしまうオランダよりはまずグループリーグ突破、という目標
が先に来る日本の方はそういう見方をすれば、毎試合勝ちだけを狙っていけば
いいのであって大国オランダの様にそこに「美しく」という言葉は無い。

ワールドカップまで辿りついた国々は、厳しい予選を勝ち上がって来た
チームしかいないから、そう考えたら勝つのはどこと当たっても至難の技だろう。

でも、国内では悲観論のよく聞こえる日本だってお隣中国から見れば
強豪中の強豪なのである。あまり関係のない話だが中国国民のなかには下手をすれば、
八百長試合ばかりで何となくまとまりの無い中国代表チームより、
ヨーロッパでも通用する優秀な選手を多く輩出している日本代表チームの
ことが好きな人だっていたりするのだから。

だから何だ?と言われてしまうと身も蓋もないのだが、兎に角勝ちさえすれば
いいのだ。

ベスト4だの優勝だのを言われてしまうチームを追いつめればしめたものなのだ。

オランダの事ばかりを取り上げてしまって、デンマークとカメルーンのことを
あまり書けなかったがデンマークにはベントナーという非常に優秀なFWがいて、
カメルーンにはあの猛獣エトーがいる。だが、少なくともオランダに比べれば
中盤から後ろには穴がぼこぼこと開いている。
ということはゴール出来るチャンスはいくらでもある筈だ。

グループリーグでは当然のことながら、全チームが勝ちに来る。

日本にとっては初戦のカメルーン戦が鍵となるであろう。
そこで先制点がどちらのチームに入るかで大きくその後の展開が変わって
くるだろうと予想する。

バルサやオランダは何故か先制点を許すケースが多い。
だが、そこから初めてエンジンがかかったかの様に息を吹き返す。
そして気がつけば同点になっていて、最終的には勝っていたりする。

僕だけが思っていることかも知れないが、そんな国やチームには何かが欠けていて、
でも最終的には強い。可愛い。という言葉で片付けてはいるが、強豪にしか
出来ない芸当なんだろうかとも思う。

観ているものを一度落胆させておいてから、ここという時に歓喜の渦に
巻き込むのだから大したものだ。

日本はどうか分からないが、きっと誰もそこまでのスペクタクルは求めては
いない。そりゃ感動的な大逆転勝利、とかになれば言うことは無いだろうが、
目下の所はグループリーグ突破が大きな目標になるだろう。

日本がどうやってカメルーンを下し、デンマークを撃破し、オランダを
追いつめるか、それだけだ。

昨日、ちらっとテレビを観やったときにちょうど中村俊輔選手がインタビューに
応じているその表情がすべてを物語っている様に感じた。

「これだけの短期間でどれだけの戦う集団になれるか、ですね」

と、余裕の笑みさえ浮かべる表情で語っていた。

なるほど。

司令塔。と呼ばれる選手にこれだけの余裕があれば面白くなりそうだ。
まずカメルーンとデンマークはゴールの近くでファウルをするのには、気を
つけた方が良さそうだ。中村のFKは一瞬で勝敗を決めてしまう力を持っている。
彼だって、伊達に海外で長く戦っていた訳では無いのだから、駆け引きの妙は知って
いる筈。

月末から合宿に入るという日本代表。
短い時間で恐ろしくも巧い「戦う集団」になって欲しいと願っている。

さて、長い時間読んでくださって、おつきあいくださってありがとう。

また、何か思ったら独り言を呟きに参ります。
ではまた!


壱成