ジュゴンの海より | いしだ壱成オフィシャルブログ『Arrivals』powered by アメブロ

ジュゴンの海より

以前、このブログで話題にさせて頂いていた、沖縄のジュゴンの生息地の問題。
その後一月末にあった裁判においてかなり前向きな方向に話が進んだ様ですので、取り急ぎお知らせ致します。


以下、沖縄タイムスからの記事の抜粋です。



米国防総省が敗訴/沖縄ジュゴン訴訟
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200801251700_01.html


米国防総省が敗訴/沖縄ジュゴン訴訟
米軍普天間飛行場の移設をめぐり、名護市キャンプ・シュワブ沖に生息するジュゴンの保護を求め、日米両国の自然保護団体などが米国防総省を相手に起こしている「沖縄ジュゴン訴訟」で、米サンフランシスコの連邦地方裁判所は二十四日、同省の米文化財保護法(NHPA)違反を認定する判決を出した。
基地建設によるジュゴンへの影響を回避する「考慮」を命じた上で、環境影響評価(アセスメント)文書を同地裁に九十日以内に提出するよう求めた。
AP通信によると、米政府は、控訴するかどうか決定していない。同法は米政府による海外での行為に文化財への影響考慮を義務付けているが、実際に適用されるのは初めてという。



以上です。アメリカ連邦地方裁判所が、この滑走路基地計画に『待った』をかけた状態。
計画そのものがなくなるわけでは無いけれど、現状ジュゴンたちの住処に滑走路を作るのはいかがなものか?という事になった様です。


原告はジュゴン。


ものを言わないジュゴンという動物が、ついに人間の心を、アメリカ、という大国の政府の心を動かしました。
このことは極めてユニークなこととして各国に報道されました。

僕自身はこのニュースを知った途端『勝った!!』と少しばかり早とちりをしてしまいましたが、どちらにせよ、大いなる一歩なのではないかと思います。

たとえば体制側の人間でも決して判らない、判ろうとしないわけでは無く‥ただ現状が伝わりづらくて、単によく見えていなかっただけのことだったのかもしれない、という風にも思います。

その見えづらかった部分にスポットが当たって、当然、スポットを当てて警鐘を鳴らす人間たちがいたからですが、ともあれジュゴンたちはおうちを埋められないで済むのですから。


良かった‥。


先ほども申し上げた通り、計画が全く無くなったのではありませんから、別の方法での議論や実際の移転計画は続いていくのでしょうけれど、今回の米地裁の判決は僕たちに勇気と希望を与えてくれた事に間違いは無いと思います。
ノーと言える勇気、そして見えて来た希望。
何らかの別の良い方法で、環境を破壊せず、誰も、人間も動物も、誰も困る事の無い形で、この移転計画が着地してくれるといいな、と心から願っています。もう一段階、上のレベルで‥解決されたらいいな、と。

難しいことの様に感じますが、実はシンプルなことなのでしょうね。
だって人間、思うところは皆一緒なんだっていうことが、ひとつ証明されたのですから。

ひとまずは、ジュゴンたちのサンクチュアリが今度はまた人の手で守られる。

新月が明けて、一つほっとして‥嬉しくなったところでした。

一緒になって考えて下さっていた皆さんにもお礼を申し上げます。

本当にありがとう。


これからもみんなで考えていきましょう。
この場があることに感謝します。ひとつ、嬉しいニュースを伝えられて良かった。
こんな嬉しいニュースをもっともっと伝えられますように。


壱成