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「いせはら みかんの楽校」第2回レポート

昨日、12月6日、伊勢原のみかん農家、まるひろ園さんと学生たちの共同企画「いせはら みかんの楽校」の第2回めのプログラムを実施しました。

年間通してみかん農家の農作業を体験していただき、みかんが食卓にのぼるまでのプロセスを勉強していただこうという趣旨で実施している全3回のプログラムのうち、今回は、ある意味メインにあたる収穫作業です。

下は3歳(!)から上は70代まで、今回も多様な世代のみなさん14名にご参加いただき楽しい時間を過ごすことが出来ました。

「摘み取り」ではなく、「収穫作業」ですので、まず最初に、ちゃんと収穫の方法についてレクチャーを受けます。



子どもたちも熱心に話を聞いて、しっかりと収穫をしていました。





こんなふうに1時間弱にわたって、収穫作業をしました。

今の時期のみかんは、こんなに色づいています。おいしそうでしょう?



作業の後は、みかんの成長過程や品種などについてクイズ形式で勉強しました。
名前にあるとおり、「楽校」ですので、楽しみながらですが、勉強もします。
おとなもこどもも青空の下、ひとつの教室で、輪になって。

「みかんの花の色は?」
「最初に温州みかんが栽培された県は?」
「国内でもっともみかんの生産量の多いのは?」



身体と頭を使ったあとは、伊勢原産のお野菜だけでつくった“ぜいたくな”「にごみうどん」をいただきました。



小春日和の比較的暖かい一日でしたが、この時期、温かい食事は身体に沁みます。


プログラムはこれで全部終了。
最後は、収穫したみかんをお土産にお持ち帰りいただきました。

アンケートを読む限り、お客様にはみなさん、楽しんでいただけたようで、何よりです。


スタッフの学生たちも2回目で慣れてきたこともあるのでしょうが、すっかり板についていて、もはや私の仕事は写真撮影以外にはないようです。

写真は朝早くから収穫した野菜を洗ったりと、昼食の準備をしているところ。




次回は年明け、1月10日。最終回です。
選果・出荷というちょっと地味な作業を行います。
けど、そんな作業、ここでしか体験できないはずです。結構奥が深いのですよ。

こちらも現在、企画を検討中。
きっと楽しいプログラムになるはずです!


くじら

第52回丹沢の会「材木屋から飲食店経営へ~生活の場から環境を考える」レポート

9月15日に、羽村にて第52回丹沢の会を開催しました。

講師は、瀧島商店の瀧島忠典さん。
瀧島さんは、今から5年前の2009年5月、第17回「丹沢の会」にゲスト講師としてお話をいただいており、今回が2度目の登板となります。

5年前は材木屋の立場で、森林という環境が人々の生活に果たしている役割や意義、国産材を活用することの重要性とその流通を担う材木屋という仕事の社会的な役割などについてお話をいただきました。
今回は、その後5年間のお仕事や生活の変化、今後の方向性などを中心にお話をいただきました。



瀧島さんは、このたび、かつて事業を統合した立川の材木屋、伊藤商店さんを離れて独立し、羽村の地で工務店事業を再開します。

これから始める事業では、地域密着、半径5キロ以内のエリア内で、リフォームや施工に限定せず、さまざまな観点から、家を守る仕事をしていきたいと考えています。

その背景には、このエリアのお客様は、ほとんどがお年寄りであるということ、また、そうした人たちには、それぞれの事情をよく知る事業者が何でも屋のように関わることが求められるだろうという考えがあります。

また、先の大震災の被災地において、地元の小さな工務店が率先して家を守る仕事をしているのを目の当たりにして、これまでないがしろにされてきた地域の中での支え合う関係こそが必要になると感じたことも大きな契機になっています。

そして、そうした地域に視点を向けた事業は、「大きくならないし、大きくなる必要はない」と考えており、

この事業では、「地域の人たちの生活にどう関わっていけるのか?がテーマになるだろう」と言います。



瀧島さんの目指す事業は、やることは確かに家のリフォーム等ですから、工務店という業態に分類されると思います。
しかし、その目的は、地域の人たちの生活を支えていくことです。
そう考えると、もはや工務店というくくりでは説明することのできない、新しいビジネスではないでしょうか。
そのような意味で、新しいチャレンジだと言えるでしょう。


地域の小さな工務店の果たす新しい役割を切り拓く、先駆的な仕事です。


また、瀧島さんがこのタイミングで会社を離れて事業を再開しようと考えたきっかけは、子どものことを考えたからだということです。

ご家族全員がそれぞれに仕事を持っていることもあり、子どもの近くにいることができる仕事のあり方を選んだということです。
「家族があって、仕事がある」、という考え方です。
一見、当たり前のようですが世の中の多くの人たちは、そのように考えてはいないように思えます。
「仕事があって、家族がある」、そんなふうになっていないでしょうか。
もちろん、それぞれにやむをえない事情があってのことだとは思います。

けど、私自身は、「家族があって、仕事がある」というのは、当然のことであり、それを実現できるような世の中になればと願います。
そのためには、瀧島さんのような実践者が多くいることが重要だと思います。



そのほかにも、これまでに仕事経験を踏まえたさまざまなメッセージをいただきました。


瀧島さんは、ここ数年の間に、仕事や生活スタイルが大きく変化しています。
途中、お話の中で、「人生は自分の思惑どおりにはならない」という言葉もありました。
けれども、これまでのご自身の歩みは、ごく自然なものであり、不本意であるとか、不満をもっているような印象はまったくありません。
むしろ、自分で選び取ったようにも感じられます。

簡単に言えば、「いい生き方をしているな」と感じさせます。

そのように歩んでいくためにはどうすればいいのか。
お話の中で繰り返し出てきた、「家族」、「地域」、「人とのつながり」といった言葉から、ひも解くことができるのではないでしょうか。



終了後は、お母様が切り盛りするお店「鉄鍋ホルモン槐」にて名物のホルモン焼はじめ、お食事をいただきました。

ありがとうございました。



会場の「鉄鍋ホルモン槐」
お店前の看板の材は槐です。



これが、幻の「再現“あっぱれのホルモン”」
ビールと一緒に、最高にうまいです。


【第52回丹沢の会 開催概要】
テーマ:「材木屋から飲食店経営へ~生活の場から環境を考える」
ゲスト:瀧島忠典氏(株式会社滝島商店代表取締役社長、「鉄鍋ホルモン槐」経営)
日時:2014年9月15日(月・祝)15時~18時40分
場所:「鉄鍋ホルモン槐」
参加人数:13人


くじら

「いせはら みかんの楽校」開校!

先週の土曜日、8月23日に、伊勢原市のみかん農家「まるひろ園」にて、「いせはら みかんの楽校」の第1回のプログラムを実施しました。

ISSEのプロジェクトとして、学生4名のスタッフと農家さんとで1年以上をかけて準備を進めてきた企画です。

この日は、下は5歳から上は70歳代まで、18人のお客様にあつまっていただきました。

「いせはら みかんの楽校」は、単なる収穫体験や農業体験ではなく、農家の仕事をお手伝いいただきます。ですから、すこし大変だったり、きつかったりします。また、年間数回実施することにより、季節ごとの農作業を知っていただきます。こうしたことを通して、農業への関心を高め、理解を深めていただければと考えています。

みかんの収穫時期は冬ですので、今の時期は当然、収穫はしません。しかし、農家さんは何もしていないわけではなく、みかん畑の手入れにいそしんでいます。
特にお盆明けのこの時期は、摘果といって、育ちの遅い小さなみかんや傷のついたみかんを落として大きさや形を揃える作業をします。

この日は、この摘果作業を参加者のみなさんにしていただきました。

まずは、参加者同士でご挨拶。
スタッフからの趣旨説明の後、「まるひろ園」の原裕美さんより、摘果作業についてご説明いただきました。





続いて、早速、みかん畑に入ります。
摘果するみかんの大きさや状態等を確認したうえで、各自作業をしました。小さなこどもたちも小さな身体をいかして、みかんの木の奥のほうや下側等にもぐりながら、しっかりと摘果をしました。







摘果終了後は、摘果したみかんを使ったジュースづくりをしました。
グループに分かれて、みかんを切って、果汁を搾ります。そのままでは、ちょっと酸っぱいので、甘味料や水を加えて味を調整します。





摘果した青いみかんは、甘味が弱いので、そのままいただくのは難しいのですが、香りがよいので、お料理の材料として使うことができます。

ジュースづくりを終えた後、記念撮影をしました。
最後に、おみやげには、摘果したみかんを参加者のみなさんに持ち帰っていただきました。


ジュースづくりの頃から雨が降ってきてしまいました。
テントの下での作業でしたのでずぶぬれになることはありませんでしたが、ちょっと不自由な感じもあったと思います。

しかし、終了後のアンケートを読ませていただくと、ご参加いただいた皆さん、おおいにみかんに関心をもっていただき、また、楽しく過ごしていただいたことがわかります。


まったく初めての経験で、こうした普通とはちょっと違うプログラムがうまくいくのかという心配もあったのですが、こうしてまず第1回を実施することができ、さらに、お客様に喜んでいただけたことは、本当に嬉しいことです。

さらによりよいプログラムになるよう、2回め、3回めに向けて準備を進めていきたいと思います。


【いせはら みかんの楽校 第1回】
日時 8月24日(土)9時~11時30分
場所 まるひろ園(伊勢原市)
参加者 18名


くじら