元の位置に戻ることを決心して、それまでの間どうやって過ごすのかを娘なりに考えていた様子でした。

自分からアルバイトをすると言い出し、自転車で15分ほどかかるところにあるリサイクルショップの面接に出向きました。

面接では、休学中であること、4月から復学するので2月いっぱいでアルバイトはやめることを伝えたようです。

数日後、採用の連絡がありアルバイトの生活が始まりました。

バイト先へは基本的には自転車で行くのですが、雨天の際はレインコートを着て自転車をこいて行っていました。

アルバイトも毎日ではなく、月に15~20日前後のシフト制でした。

朝から夕方まで一日8時間。

人見知りで、大きい声で話せないのに大丈夫かなと心配していましたが、娘は「仕事」と思って頑張ったようです。

小さなメモ帳とボールペンをいつも持っていて、仕事内容を覚えると言っていました。後日、メモ帳を見てみると、教えてもらったことなどを事細かくメモをしていて感心させられました。

バイト先でも先輩に恵まれ、本当に可愛がっていただいたようで、バイトをやめるときには送別会をしていただいたほどで感謝してもしきれない思いです。

 

アルバイトをしても家事はこなしてもらいました。

夕方バイトが終わって、買い物をして自転車をかっ飛ばして家に帰り夕食の準備。

なかなか、ハードだっただろうと思います。

決して娘は音を上げませんでした。

 

自動車学校、家事・・・リズムをつけて元の娘に戻ってきましたが、進路はどうするのか。

様子から次の受験に向けて勉強している様子ではないし、復学するのかどうか。

私としては、目が届くように自宅通学ができる地元の私大を受験しなおしてもらいたかったです。

娘に意向を聞くと、「ちゃんと考えてるから!」「まだ考えてる!」などと返事しか返ってきませんでした。何度も聞くと怒るし、グッと我慢して夏の終わりまで待ちました。

 

少し涼しくなってきたころ、今後はどうするのかをようやく聞きました。

簡単に「戻るよ!!」と答えます。

私は、またあの受験勉強をしなきゃいけないと苦痛に感じて逃げているように思って、娘に逃げていないのかと聞いてしまいました。

娘からはちゃんと考えて出した結論であること、自分の勉強したいことが休学中の大学で一番できると思うことが伝えられ安心したようで、新たな不安ができました。

 

休学する時に娘が発した言葉。

耐えられない。大学の雰囲気も街の雰囲気もみんな嫌!

そんな風に一度思ったところに戻れるのか。

戻っても大丈夫なのだろうか。

娘は大丈夫!としかいいませんが、何を根拠にそんなことを言えるのだろうと思いました。

でも、娘が自分で出した結論です。

応援するしかありません。

 

娘は料理が大好きです。

私はフルタイムで働いているので、この機会に娘に夕食の準備を頼むことにしました。

自転車で15分ほどのスーパーに買い物に出かけ、メニューを考え料理する。

簡単なようで難しいと思います。

 

娘は、家にある本やCOOKPADなどでいろいろなメニューを考え計画的に買い物をして夕食の準備を毎日してくれました。

見たこともないような料理が登場し、その頃から帰宅してメニューを聞くのが楽しみになりました。

だんだん料理も凝っていって、みそ漬けの味噌も自分で作ったり、すじ肉の煮込み料理なども登場しました。

 

また、毎朝洗濯物を干す仕事も娘の仕事にしました。

家事をさせることで、生活リズムが整い、得意なことをして喜ばれることで自身が取り戻せたらと思い続けました。