ずっと、ひとりだった。
ずっと、孤独だった。
ずっと、自分の心の中が嫌だった。
共感力という、人とは違ったものを持って生まれてきて、小さい時から心の中にたくさんの感情が渦巻いていた。
苦しみ、悲しみ、怒り、痛みのネガティブなエネルギーが、僕を支配していた。
自分の感情が、何なのか分からないで過ごす日々。
うれしいのに、悲しみの涙が溢れる不恰好な心。
六畳一間のアパートで、ひとり震える身体を抱き締めて、時には流れる鮮血に生きていることを感じた。
孤独の闇は深まるばかりだった。
きれいだった肌はみるみる荒れていった。
声は枯れ、食事も採らず、ただただ生きることを願った。
時間が掛かるのは分かっていた。
でも、自分から逃げたくなかった。
ネズミが繁殖するように、この世に産み落とされ、愛情を与えてもらえずに育った。
憎しみは自分に向いた。
自分を傷つけるだけ傷つけ、敏感な心を麻痺させた。
でも、ずっと先に光が差していることは分かっていた。
うわべだけで、誤魔化して生きていく道もあった。
でも、本来の自分に出会えないことも知っていた。
自分の複雑に出来上がっていく感情を誤魔化したくなかった。
本当の自分の心の中を知りたかった。
5年、10年掛かると思った。
でも、僕は逃げなかった。
誤魔化すより、戦うことを選んだ。
長い戦いだった。
気づけば、自分を傷つけた以上に人を傷つけたことを知った。
そして、僕はいま光の中にいる。
愛が溢れた光の中に。
あの孤独の暗闇の中には、なにひとつなかった。
でも、あの頃見た先の光の中は、幸せで満ち溢れていた。
こんな幸せがあるのかと、信じられないぐらいの喜びがある。
結局、気づけば30年の歳月が流れていた。
少年だった僕は、大人に変わっていた。
共感力、エンパスを持っている僕には、様々な感情が入ってくる。
時には受け入れ、時にはブロックして生きている。
でも、いまこのひとつの能力が意味を持って、僕の中で大きく目覚め出している。
あの頃、たくさん傷つけた人に想いを寄せながら、いま、僕は生きている。