昨日、おふくろに6年振りに会った。
26年確執があった。
おやじからは暴力的虐待、おふくろからは精神的虐待、ネグレストにさらされていた幼少期。
思春期になり、成人になった僕を恐怖と孤独が襲った。
すでに精神は、手のつけられないほどボロボロだった。
真っ暗なワンルームのアパートで、ひとり肩を抱き震えてた毎日。
薬物とリストカット。
流れ落ちる血を見ながら、生きていることを感じるしかなかった日々。
徐々に心も身体も破壊されていった。
どん底の日を生き、ヒプノセラピーを受けた。
セッションを受け、沢山の涙を流した。
涙を流した分、傷つけてきたインナーチャイルド達は命を吹き返した。
生まれ変わった新しい命。この世にひとつだけの大切な命。
セラピーを受けて、本来の自分を取り戻した僕。
セッションは終了した。
でも、おやじやおふくろから受けたことは、許せなかった。
僕はふたりを前にして、思いの丈をぶつけた。
「僕はずっと孤独の中にいた。でも、やっと自分を取り戻した。いま、苦しみからやっと解放された。でも、あなた達から受けた虐待は一生許さない。」
でも、その後の僕の人生はこの言葉で後悔の日々だった。
そして、おやじが亡くなった。
許す前に旅立ったおやじ。
僕はあの時許せなかった自分が嫌だった。
しかし、その後もただひとりになったおふくろにも、会うことから避けていた。
時間が流れても、許せなかった。
そして、ひとりの女性に出会い、愛を知った。
愛されること、愛することを知り、僕の心の中に許す心が生まれた。
僕はおふくろを許した。
虐待により40年苦しんだことを引き換えにしても、おふくろを許した。
年老いたおふくろの涙。
人を許すことは難しいこと。
でも、許して初めて生まれるものがある。
僕はいま、愛の中にいる。
愛がすべてを変えていく。
そして、愛を知った時、おやじとおふくろの中にも、愛があったことを感じた。
子供の頃、傷つけられた自分。
でも、僕はいま生きている。
それだけで充分だった。
新しい道と命が、僕の前にある。
この命を大切にして生きよう。