今、天童荒太さんの「歓喜の仔」を帰ってから夜に読むのが楽しみ。
前作「永遠の仔」はテレビドラマ化され、渡部篤郎、椎名桔平、中谷美紀ら三人の迫真な演技が原作をより深めていました。
DVD化もされたのでご存知の方も多いはずだと思います。
前作「永遠の仔」では児童虐待がテーマになっていました。
長瀬笙一役の渡部篤郎は男遊びの盛んな母親からネグレスト(育児放棄)を受け、有沢梁平役の椎名桔平は同じく母親からタバコを体に押し付けられたりといった身体的虐待を受け、久坂優希役の中谷美紀は父親から性的虐待を受けていた。
そんな三人は精神病棟の施設で出会い、小学生時代を過ごす。
そこである事件が起こる。施設で恒例となっていた山登り行事で三人で共謀し、優希の父親を転落死させた。その後、三人はそれぞれの道を歩むが、18年後社会人となって過ごしていたときに偶然にも三人は再会する。
長瀬笙一役の渡部篤郎は弁護士に、有沢梁平役の椎名桔平は刑事に、そして久坂優希役の中谷美紀は看護士になっていた。
児童期に同じ秘密を抱えた三人が再開したことにより、新しい事件が起きていく。
このような内容でしたが、ドラマでは虐待シーンがリアルに描写されていて、児童虐待を正面から捕らえた作品になっていました。

※注・・・僕もそうですが、過去に虐待されていた経験のある方は、しっかりと自分を保った上でこのドラマを見てください。かなりリアルなのでトラウマが再現する可能性があることを書き添えて起きます。調子が悪いときには視聴をお勧め出来ません。

前作も問題を抽象的に書くのではなく、正面から捉えた天童荒太さんの執筆の力には驚きましたが、今回の「歓喜の仔」も前回同様のような感じです。
ネタバレするほどまだ読んでないのですが、出だしの30ページぐらいで引き込まれます。
決して内容的に楽しむ作品ではないですが、医療、学校関係者のみならず、すべての大人の方に読んでもらいたいと思う作品です。
ちなみに「永遠の仔」も「歓喜の仔」も幻冬舎より、上下巻で発行されています。


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