メガマックを超える | いっそ、汁になりたい。

メガマックを超える

ある二日酔いバリバリ伝説な昼下がり。


「メガマック食いてぇ」


気持ち悪くてたまんないのに

何故か無性にジャンクフードが食いたくなったのよ。


そうなりゃ、常に世界を意識しているいそ汁にとって

現在、マクドの王様に君臨するメガマックを食らうのは

容易に想像できるストーリーですよね。


ということで

二日酔いの重い体を引きずり

近所のマクドまで行ったのです。


昼真っ盛りなので

ジャンクフードジャンキーどもが所狭しと

ひしめき合ってるんですよ。


「くぅ、なんてギラギラした空気なんだ。こりゃ紛れも無く動物性の脂だぜ」なんて

妄想にふけりながら並んでたんです。


ようやく僕の番が来ました。


店員の「こちらでお召し上がりですか?」の声を

途中でさえぎらんばかりの勢いで


「メガマックのセット!メガマックったらメガマック!メガンテー!!」


嘘です。

僕は小心者なので普通に

「メガマックのセット1つくださいな」と言いましたよ。


すると・・・

「申しわけありません。本日分は売り切れました。」


・・・

売り切れました。売り切れました。売り切れました。


リフレインが止まらない。

ついでに僕の涙も止まらない。

危うく、昨日のお酒が逆流するところでした。


「マジで!?」


「数量限定なんです」


し、知らんかった・・・・


「くくく、あいつメガマックが数量限定って知らねぇんでやんの」

「ありえないんですけど」

「チョーダサーイ」

「張り紙出てるやん。売り切れって」

「貴様など100円マックで十分さ」


周りの空気がそう語っているように思えた。

ええ、確実に被害妄想ですが、何か?


ヌオーー!!負けてなるものか・・・!!


こうなりゃ、奥の手を使うしかない。。






「ビッグマック2つちょうだいな」


店員「・・は、はい」


ふふ、愚民どもはこの注文の真意が分かっていないらしいな。


ビッグマック2つ使ってひとつに組み上げたら・・・


メガマックを越えるじゃろがい!!


俺は今ここでメガマックを越える、

テラマックを創造してやろうじゃないか。


不器用なお手てで

2つのビッグマックを分解していく。


それを丁寧に重ねてい・・・


ボロボロ・・・狂おしくボロボロ。


うまく出来ないよ、ママン。


無念なり、幻のテラマック。


長年、雨風に晒されて

無残に崩れているピラミッドのようだったよ。


仕方ないので店員さんに

「崩れちゃったのでフォークください」と

恥を忍んでもらいに行きました。


まだメガマックは食べていません。