方向音痴 | いっそ、汁になりたい。

方向音痴

はい、僕です!


「あれ?ここはどこやねん!?」

方向音痴
方向についての感覚が鈍く、道に迷いやすいこと。
また、そのような人
(大辞林より)


僕は自他共に認める方向音痴である。
これではかの有名な
「話を聞かない男、地図が読めない女」でなく
「話を聞かない男、地図も読めない男」に成り下がってしまう。
せっかくなので「朝起きられない男」の項目も追加したい。


うう、涙で前が見えないや・・・


最近、梅田の地下街については
ある程度、把握できるようになってきた。

これはすごい進歩だ。
進化の過程で言うとなんと四足歩行から二足歩行を
実現したぐらい偉大な出来事。


僕の方向音痴っぷりは広く知られており
仕事で誰かと同行営業する際でも
僕には一切、目的地までの道のりを聞いてこない。
同行するのが社長であっても自ら道を調べる徹底ぶりだ!

この意思の統一ぶり、流れるような連携は
オシムジャパンも見習うべきだろう。


くぅ・・言ってて悲しい・・


一応、僕も地図を持って行くのだが
それはまさに
「豚に真珠」「猫に小判」「いそたかに地図」である。


そんな方向音痴の僕であるが
意外と野性の勘というか直感で
目的地に辿り付ける特技も併せ持つ。

時間がかかるのが唯一の欠点である。
一説には全くそんなことはないという
意見もあるがこの際、ばっさりと無視してしまおう。


僕の神業的方向音痴を表すこんなエピソードがある。


自宅に帰るのに迷った。
ああ、迷ったさ。



実話。
嘘のようなホントの話。


通常30分もあれば充分帰れるところを
僕はたっぷり90分以上かけ満身創痍で帰還した。


いや、事の背景を言うとね、
実は高校入学ぐらいの時期に引っ越したんですよ。

同じ市内で距離にして10kmもないくらいなんですけど。

引越し間もない頃、元いた地域まで
チャリチャリと自転車をかっ飛ばして遊びに行き

遅くなってきたんで帰ろうとしたわけなんです。

国道を真っ直ぐ進めばおそらく迷うことはなかったのだろうが
何を思ったのか
「そうだ、京都へ行こう」みたいなノリで
「そうだ、裏道で行こう」と・・・


これが運命の分かれ道・・・


以前、裏道ルートはオヤジに連れて行って
もらったことがあったので分かるだろうと目論んでいたのだ。


最初のうちは
「よしよし、ここは見覚えがあるぞい!」と
鼻歌交じりにひた走る。
余裕が見え隠れする。
「なんだ簡単じゃないか」と・・・

しかしどこでどう間違えたか
いつの間にやら竹やぶが両サイドを囲み
土砂をふんだんに積み込んだダンプが
ブインブイン往来する未知の世界に入り込んでしまった。


あまりにも思っていた景色と違う。
信じたくないがこれは僕が道を誤ったに違いない。
そこがどこだか全く検討がつかない。

途中から薄々、いやはっきりと感じてはいたが
僕の心のブレーキは壊れていたようで
けっこうな奥地まで来てしまったようである。


猫は危険を察知しても後ろ向きには戻らず
全速力で前に突っ切ってしまうらしい。
イメージはそれと一緒だ。
猫と同レベルか・・・


うう、涙で前が見えないや・・・


僕はライオンに狙われたインパラの如く震えていたが
しばし心を落ち着けて対策を練る。
「ここはなりふり構っていられねぇ!」と
高槻の大動脈、国道171号線を
愚直に目指し引き返すことにした。


人間、焦っている時は
何故だかスピードがあがっていくようである。
別に何時までという指定はないのに
精一杯のスピードでかっ飛ばしていた。

早く自分自身を安心させたくて・・・


何分経っただろうか?
僕の視界の中に往来する
多くの車のヘッドライトが交差しているのが見える。

まるで長年、離れ離れだった
親子の再開のような感動が胸を突く。


「僕は帰ってきたよ、とうちゃん」


こうして僕はなんとか路頭に迷うことなく
家路に着くことができた。


おかん「遅かったわね」
僕「・・・うん」


自宅に帰るのに迷ったなど
とてもじゃないが言えなかった。


僕に道を聞くのはよした方がいい。自信満々で間違えるから