其の四十八 柴犬の五十六です。頑張れ!「はやぶさ」コイツは只者じゃあねぇ~…と主人が。
皆さん、6月13日は何の日?。
ところで、以下追記と言うか、誤記が有りました。お詫びします。
誤記は打ち消し線で消し、正しくは赤強調体で直後に表示してあります。
平成21年6月13日。日本はサッカーワールドカップで騒乱状態だろう。
そんな、バカ騒ぎの中、在る旅人が、出立地より5,000数百キロも離れたオーストラリアに帰って来る。
否、帰って来ると言うのは当たるまい。
灼熱の摩擦熱で燃え尽きる…。
その大気圏再突入後、焼け焦げ、燃え尽きる旅人はオーストラリアの上空で何をしようと言うのだ…。
旅人の名は惑星探査船「はやぶさ」。
地球の大気圏突入寸前、「はやぶさ」は一つのカプセルを放出するっ。そのカプセルを地球に持ち帰る為にはやぶさは7年間、600,000,000キロ(6億キロ)の試練の旅をこなして来た。
がんばれっ!「はやぶさ」。地球は目前だっ!。頑張れっ。
自らは燃え尽きようとも、カプセルの中が例え空だろうが構わない。よく7年間、つらい旅を続けたものだ…。
つらい旅?、理解して貰える事は少ないだろう。
昼夜の温度差は300℃を越える宇宙空間を、常時、強烈な紫外線でジリジリ焼かれ、信じ難い量の宇宙線(放射線)でその船体を貫かれながら、7年間の旅をして来たお前はもはや単なる機械ではない…。魂をもった旅人だっ。
だって、そうだろう。はやぶさが日本を飛び立ったとき、世界中の誰もが言ったものサッ。
「帰って来れる訳がない」。
「超チビ惑星の『イトカワ』にすらたどり着けないだろう…。無駄な試みだ。」
今から2,500日以上前の2003年5月9日、鹿児島県の発射場からM-Vロケットによって地球の引力を利用して、まるで砲丸投げの様に加速しながら※1極小惑星イトカワに旅立った。
例えるならば、ソフトボール(地球)から1.7キロメートル離れた、細菌程の物(小惑星イトカワ)に着陸するために。※2
何故?。地球と小惑星の衝突の研究のためにイトカワの地表の土を持ち帰るのさっ!。
地球の引力圏から脱出したはやぶさは、1円玉一個を持ち上げる程の力のイオンエンジン四基を巧みに操り、船首をイトカワに指向し片道300,000,000キロの旅を始めた。
そして、出立から2年2ヵ月後、はやぶさはついにイトカワに接近し、上空からの観測を始めた。
ところが、その最中、はやぶさの姿勢(方向)を制御する為の三軸のリアクションホィール(地球ゴマの一種)三機の内※3一軸用の一機が故障した!。
はやぶさは呟いた。「長旅だ。この程度の事は折込済みさ…」と、残り二機のリアクションホイールで姿勢制御を行いつつ更にイトカワに接近した。
まだまだミッション(任務)は序の口さ。
そう、もっとイトカワに近づくのだ。そしてはやぶさはイトカワへ更に接近。ホームポジションに占位した。
「さて、次のミッションは…、」その時、予期せぬトラブルが彼を襲った。
残り二軸用のリアクションホイールの内さらに一機が故障したのだ。最初のトラブルから2ヵ月後の事だ。
もう姿勢変換は無理か?。地球から300,000,000キロの彼方ではやぶさは宇宙のチリと化すしかないのか。
その時、はやぶさは世界の科学者を唸らせるリカバリーで危機を凌いだ。イオンエンジンイオンエンジンとは別の化学エンジン(ガス噴出)エンジンを小刻みに噴射し、残る1機のホイールで姿勢制御を続けた。
「なんて器用なっ!、さすが日本人がつくったロケットだ。一軸しか制御出来ないのを、イオンエンジン化学エンジンで補完するなんて。」
でも、こんな事ははやぶさが以後遭遇するピンチに比べればまだマシな物だった。
さあ、これからイトカワに着陸だ、
タッチダウン、その極めてクリティカルなコントロールを、はやぶさは『自律制御』で行うのだ。
そして地球に戻るのだ。続く。
※1:スウィングバイ(引力利用の)加速とイオンエンジンとの併用による軌道変換。世界初。
※2:大きさの表現は、『週刊ダイヤモンド 2010年6月20日号』より引用。
※3:三『基』と表現される事が多いが、回転体を持つ機械は『機』と表現するという筆者の以前からの知識(思い込み?)による独断で『機』と表現する。
私(柴犬の五十六):「なんで、はやぶさを『彼』なんて言うんだ?、機械だろう。」
主人:「オヨヨッ、賢いお前がど~した。」
「いいか?日本人は相手が木とか石とかでも『魂』が有るものとして尊重する、謙虚な民族だぞっ。益してや『はやぶさ』はイトカワに着陸するために『自分で判断』して『行動』するんだ。そして信じられない程の試練(トラブル)を乗り越えて…。コレを『旅人』『彼』と呼ばないでど~する。」
私:「何で(なんで)だ?、地球から電波でリモートコントロール(遠隔操作)すりゃあ良いじゃないか。」
主人:「オヨヨヨョョョ~(ノ゚ο゚)ノ、お前今日は調子が悪いのか?、アノナッ、地球からイトカワのはやぶさまで電波が届くまで20分以上かかるのだぞ、宇宙に浮揚しながら10センチ単位で動かなければならないはやぶさに、ど~やって命令する、二十分前の命令なんて意味無いだろう。」
私:「…。」
「って言うか、記事書くのに時間掛けすぎだろう。ワタシを放っておいて。」
主人:「いや~、すまん、すまん。でももう一寸ナッ。」
皆様、満身創痍のはやぶさは、今日(平成22年6月9日)15:00に地球帰還の為の最後の軌道変換を無事行いました!(^O^)/。
あと、ホンの少しだっ。改めて、頑張れっ「はやぶさ」 v(^-^)v。
と言う事で、現在一人祝賀会中です(≧▽≦)、(焼酎で)(T_T)。主人はっ!
ワタシ:「早よ、飯食わせろやっ(`×´)!もうこんなになっちゃてるぞっ!」
主人:「いや~、申し訳ない。」
私:「もうふて寝っきゃねぇ~ぞ。( ̄^ ̄)。」