今回の舞台を経験して
スイッチの切り替えが鋭くなった

演出家の丸尾さんは
練習が1番妥協しない人だった
ガンガンメンバーをしごくが
稽古開始から一週間くらいして
ふと思った
この人にとっての舞台とは
僕にとっての踊りと一緒で
完全に
この人というものを
構成している唯一無二の存在なんだ
この感覚だ
知ってる、僕にもあるぞ
まわりが見えなくなるくらい
嫌われても
世間から罵倒されても
ダンスだけにしがみついて
生きてきた
綺麗事だけじゃ
生きていけない世の中を
唇噛み締めながら
こんなとこで終わってたまるか!
って
そうやって生きてきた
演出家の丸尾さんと僕は
同級生だった
聞くと鹿殺しは
大阪で27歳までずっと
お客さんが入らなくて
逃げるように東京に出てきたんだと言う
そして何年も
ストリートダンスならぬ
ストリート演劇をして
みんなで一つの家に住んでいたそうだ

絶対に譲れないもの
作品に対しての一切の妥協のなさ
本気の姿を見て
この男も完全燃焼の男だと思った

90%くらいでやってると
すぐに見抜かれるから
練習から120%でやる事にした
「よーい、はい!」
の声が聞こえると
僕の中でスイッチが入る

何をやるにしても
スイッチのONとOFFが
鋭く入るようになった
大好きな夏を全部ついやした
この2ヶ月
久しぶりに鋭い眼つきになれた
森下くるみさんは
どんなに厳しい指導を受けても
弱音を吐く事は1度もなかった

モンドさんやオレノさんは
千秋楽を終えて、
もう既に次の準備や稽古に
取り掛かった

鳥肌さんは
いつもの日記の通り
あの人は無敵だ

みんなそれぞれに旅立って行ったが
ステージを降りた瞬間から
人はみんな挑戦者だ
それぞれ次の挑戦が待ってる

僕も9月は
この36年間で人生最大の
挑戦が待ってる

そこを越えたら
また新しい人生が始まるような
そんな気がしてる
人はいつ死ぬかわからない
約束された明日なんてない
だから完全燃焼に生きる
最後の日までそれは続く
根拠のない未来への不安に
怯えて生きず
まだ見ぬ未来だからこそ
可能性や夢を持って生きる
腹一杯完全燃焼にね

そんな完全燃焼な日々を過ごした
山犬のメンバーやスタッフさん
心から本当にありがとうございました
