生まれてくるのが
予定よりすごく遅く、
お腹の中で死ぬところまで
危機に陥った少年と母親がいました

出産予定日より二週間以上も遅れ、
このままでは子供も母体も危ない
帝王切開でお腹を切るか
さぁどうする!?という時に
容態が急に悪くなりました

お腹の子は諦めて
母体を助ける事に集中しよう
と決断を余儀無くされた時に

最後まで諦めないで
帝王切開もしないで
ちゃんと産ませてやる!と
立ち向かった先生がいました

看護婦さんに一度は
お腹の子は諦めてくださいと
言われたものの
一生懸命がんばる先生と
その母親には
諦めるという文字はありませんでした。

そしてその日の
深夜1時を過ぎた頃・・

無事に男の子が誕生!

陣痛が始まってから
3日が過ぎていたそうです


母体はひどく傷み
母親の身体は2人目を出産する事ができなくなっていました


少年は授かった身体を存分に活かし、ダンスの道へと進みました


あのとき母は諦めなかった
あのとき先生は諦めなかった


そんな想いからか、
少年は諦める事をしませんでした



そして35年後・・


少年と先生が再会します


「先生、
先生が諦めずに最後までがんばってくれたおかげで僕は生まれました。心から感謝しています」

すると先生は

「あなたのお母さんが
よくがんばったからですよ」

と言って
両手で握手をしてくれました

何千人とその手で取り上げてきた
神の手には深い愛情とぬくもりがあり、胸を貫かれました


「ありがとうございます!!」


そう言うと
深く深く頭を下げたまま
手を握っていました

35年ぶりに再会した少年の目には
涙が浮かんでいて
頭をあげる事ができませんでした


最後まで諦めないでがんばった
母親に猛烈な影響を受け
「完全燃焼」という
人生のテーマを掲げた少年の
名前は丸山 悟史
高校生の時よりISOPPと呼ばれ
ダンサーとして活躍している

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