ほぼ毎年お伺いしている「わ」の会コンサートに今年も行ってきました。
今年は緊急事態宣言がどうなるかわからなかったせいなのか月曜日の18時に開演となり、勤め人は会社を早退しないと来れないのでは?(私は時間休を取って会社を早退したクチです。)というのが残念。
伝承ホールは渋谷にある小さめのホールでお客さんが8割くらい入ってました。

「わ」の会はワーグナーを愛する指揮者や歌手の方たちが、ワーグナー作品をピアノ伴奏で部分上演する団体ですが、今年は新メンバーが多数加わり、ワーグナーを歌える歌手を増やしていこうという意欲を感じました。
ちょうど先月に「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を見て、自分の恋敵でもある若者ヴァルターを育てるハンス・ザックスの心意気に感動したばかりでしたので、池田香織さんや片寄純也さんといったベテランのワーグナー歌手がザックスのように後進を育てていくんだねぇと感心☺️

「オランダ人」のバスとバリトンの二重唱とか、「ラインの黄金」の神と小人の化かしあいの場面とか、男性同士の重唱場面が多かったのが渋い贅沢で面白かったです。

新国立劇場でダーヴィッドを歌った伊藤達人さんは超大型新人で、今回も大活躍。
今回ローゲを歌った岸波愛学さんはイケメンで美声テノールでドイツ語も上手で、今後トリスタンやジークムントもやってくれないかと楽しみ😍
ブランゲーネを歌った郷家暁子さんもお美しくて美声の期待のメゾソプラノ!
池田香織さんは8月に清純派エルザを歌ったとは思えないオルトルートの魔女っぷり😵
演目の最後となった「トリスタンとイゾルデ」一幕後半の抜粋は、私が趣味でやってる声楽の2019年の独唱発表会とアンサンブル発表会で歌った箇所なので心の中で一緒に歌っていたのですが、イゾルデ役の人が不調なのか、芯の薄いビブラート多めの発声で、「トリスタンを殺して私も死ぬぅ!」と無理心中を決行するイゾルデギリギリの精神状態、王女の誇りと胸に秘めた愛を踏みにじられた恨みが入り混じった感情が伝わらず、ちょいと残念でした😅
トリスタン役の片寄さんは和製グールドのような素敵なヘルデンテノールで素晴らしかったです。

コロナ禍で外国人が入国困難になって、ワーグナーを歌える日本人歌手がもっと増えてほしいと痛感しましたが、今回のワーグナー歌手育成の試みは素晴らしく、ありがたかったです。
あとは、観客も60代以上の人が多くて、観客側も若い人が来られるようにしないとオペラの世界は先細りのように思えますが・・就職氷河期以降の世代には、コンサートを見に行く時間的・経済的余裕がない人も多いのかもしれません。
私自身、転職&在宅勤務ですごく楽になりましたが、数年前だったら勤務地も選べない状態で働かされて、平日夜のコンサートなんて無理な事が多かったので😭

https://www.facebook.com/events/261273455662006/?ref=newsfeed


先週、ミュージカル「北斗の拳」を見てきちゃった!
あたぁ!

https://horipro-stage.jp/stage/musical_fons2021/

北斗神拳の成り立ち、核戦争による世界の崩壊から、レイやトキやジュウザの死を経て、ラオウをケンシロウが倒しユリアと結ばれるラストまでを舞台化。
この内容を2時間でジェットコースターのようによくまとめたなぁというのが一番の感想。

しかし、後半の格闘シーンと台詞の1個1個が、原哲夫画伯の漫画に比べると「きかぬ!きかぬのだ!!」というレベルで迫力が足りず哀しみをおぼえたし、ケンシロウが「愛を手放すな~」と人に向かって歌うのもキャラが違うんだよな。無口だけど時々発する言葉は的を得ていて、圧倒的に強い、それがケンシロウの魅力であるだけに。ケンシロウ役の俳優さんもアクションは素晴らしいけど、歌は苦手そうだし。
「北斗の拳」はあか抜けた音楽で綴るミュージカルよりは、「半沢直樹」のように歌舞伎のテイストを入れた演出で俳優にキャラクターの魅力と宿命を訴えさせ、プロジェクションマッピングや殺陣を駆使した大娯楽芝居として舞台化した方が良かったかも。
小学生の頃に見たアニメの「北斗の拳」も絵は原作より下手ですが、神谷明や内海賢二といった超一流声優の魂こもった演技がすごかった事を思い出しました。
私のこの舞台の評価は70点くらいかな。
劇場で隣に座った女性二人は「私、原作読んだことないのよねぇ」と話していて、この展開についていけたのかは謎である。

ネタばれですが、舞台として良かったところと、良くなかった所を列挙してみる。

良かったところ
・前半のアクション。プロジェクションマッピングと殺陣を駆使して、リュウケン先生が分身したり、北斗百裂拳を再現したり、原作ファンは大満足😍
・南斗水鳥拳ではレイが空を飛んで宙返りして、背景に鳥が映写される。ハラショー!
・トキが上品でイケメン、歌がうまい!
・シンが超イケメンで、身のこなしが素敵!カツラとマントが似合ってる!
・ケンシロウの身体能力とアクション。超人レベル!
・ケンシロウに敗れた後に、文字通りワイヤーに吊られて天に上るラオウ様。

良くなかった所
・ケンシロウの歌
・ユリアの心情を語る歌も、こんな長さでは要らぬ。
・レイが死ぬ所もアッサリと終わってしまった。本当は泣かせ所なのに。
・ジュウザの女遊びの歌もあの長さでは不要。
・ラオウvsトキの兄弟対決。迫力も泣かせどころも原作に遠く及ばず「きかぬ、きかぬのだ😭」ここは歌舞伎テイストにやった方がよかった場面。
・ラオウvsジュウザの対決。アクションとして見せ方がヘタクソで、生身の人間が向き合って殴り合うとただのイジメにしか見えないという😂