祐介と小伊根 | 日々棲む世に

祐介と小伊根

ねっむーい。

これから一週間まじだるいんすけど。。

今週は業務の引継ぎだ。つってもこんなの誰だって出来る仕事だよ。

適当モードです。


今日は友達の話とか昔話。

話は小学生まで遡ります。

裕介ってやつと小伊根ってやつの話です。

裕介は以前書いたけんちゃんの双子の弟です。

一卵性ではないので似てないです。かれは小学校の頃は悪童でした。

小学校一年で既に暴力、恐喝、大嘘、いじめ、など子供とは思えない

悪行をシレっとやってのけるやつで、私もいっぱい泣かされましたし、

悪行にもつき合わされました。裕介とも保育園からの縁です。

その裕介が保育園の頃からずっと苛めの対象にしてたのが、小伊根です。

かれは影が薄く、線が細くて、頭が弱い子、そしてどこか気味が悪い空気を持っていた。

今考えると多分彼の周り全てに対する恐怖心が漂っていたのだと思う。

マンガ「二十世紀少年」のサダキヨを見た時に小伊根がモデルかと思うほどリンクしました。


皆同い歳で近所に棲んでいた、嫌でも顔を合わせる程近所。

昔はよく小伊根の家にも遊びに行った。彼の家は結構お金持ちで、

近所ではかなり大きい一軒家にすんでいた。裕介も行ってたと思う。

あの頃の裕介は友達の家の財布から金を盗む事などに罪を感じる意味すら

わかってない子だったので、多分小伊根もやらされてたと思う。


小伊根の母親っていうのがまた変わった人で、ゴミ袋を市営のゴミBOXまで持っていき

袋から中身だけ出して、袋は持って帰るなんともエコな人で

布団を2時以降まで乾していると、他人の家とかおかまいなしに

「布団しまって!」と家の玄関まで押しかける。

以前TVで引っ越せおばさんみたいなのがいたが、あの空気に少し似ている。

彼らだけではないが、あそこらへん一帯がへーんな空気があるのだ。

そんな不思議な母親で、子供達はそんな小伊根の親を馬鹿にしていた。

それが小伊根自身のいじめも拍車をかけただろう。


小伊根が保育園から一番仲良くしていたのは、

同じく、いじめられっこだった和財君である。

かれは小伊根と同じくらい裕介にいじめられていたが、

小伊根と決定的な違いは彼が頭が良かった事である。彼もまた同じ小学校に

いった仲間で、小伊根とよく遊んでいた。家が近いので遊んでる姿をよーく見かけた。

気づいた時には和財君は小伊根を舎弟にして遊んでいた。

和財君のいう事ならなんでも聞く。二人のなかではそういう関係が成立していたようだ。

いじめは続き、小学生の頃は和財君のほうがいじめられていたと思う。

小伊根は相手にもされなくなっていった。

今となっては二人の間でどんなやり取りが行なわれていたかはわからない。

そして、彼らのいじめられる歴史の切欠をつくったのが、裕介なのである。


そして小学校が過ぎ、中学に上がると、私と裕介は同じ市の中学へ

和財はお受験で私立の中学へ、小伊根は普通の中学では勉強的に

ついて行けないと判断したのか、同じ市内の中学で、

そういう子が集まる専門クラスみたいなのへ行きました。

ここからぷっつり、私と小伊根と和財君との縁は無くなった。

一方、裕介とは中学も一緒で同じ部活もやっていたので、仲良くやっていた。

彼は小学校の時に比べると格段に成長した。もうあまりいじめもしなくなった。

ところが中学から高校と上がっていくうちに、裕介はどんどん静かになっていき、

どんどん暗くなっていった。成長期にはそういう事もよくあるだろうし、

あまり気にはしなかった。高校で彼は近くの都立高校へ行った。

高校一年までは少しだけ会っていたが、私の家が引越た事によって

ますます合わなくなっていき、その頃から次第に人と接する事を拒み始めた。

大学の頃一度あったが、自分に友達はいないし、必要ないと言う様になった。

私の中で、相手がどうであるかより、私自身がどう思うかに重点をおくようになるまでは

その事は哀しい出来事の一つであった。しばらく経ち、大学卒業し、社会人になった頃

裕介とまた会った。彼は信じられない程に自身をなくし、

社会に望みが見えない状況にまでなっていた。過去を知ってるからこそ、そう思うのだが

法律家になるために何年も何年もしてきた勉強も試験を目前に諦めたらしい。

はたからみたら、只のグウタラであろう。

しかし私にとってそこは問題ではなく、彼が選んだ道を間違ったとも思わないし

それが彼が選んだ道なだけである。また道は彼が選べばいい。

ただ私がしたいと思った事は私がいる世界と裕介がいる世界は同じであるが

私が見てる世界と裕介が見てる世界は違う、ということを伝えたいとおもった。

理由は至極単純で、それは私がこの世界を好きだからである。

外に連れ出し、私が感動した所や話を色々した。こういう仕事もあるよと進めた。

すこし元気になったようにみえた。


その同時期にもうひとつ、奇妙な事が起こり始めた。

裕介の家に、小学校卒業以来接点のない筈の小伊根から電話がよくかかってくるらしい。

親が出ると、裕介に代わってくれと言うらしい。

気味悪がって、最初は出なかったのだが、あまりに頻繁にかかってくるので

一度電話に出たらしい、何の用だ?と聞くと

小伊根「最近彼女が出来きたんだ」

とのこと。それと何が関係あるんだ?といっても「とにかく一度会おう」と笑ってるだけらしい。

懐かしさではない感情だ。そのことを私に相談して来たので私は小伊根の携帯電話に

電話してみた。しかし何度かけても全く出ない。

その後しばらくはかかって来たが、ずっと出ないようにしたら来なくなったらしい。

それが一年半前位の出来事。

その後、しばらくはその仕事をやっていたが、一昨年どうしても辛くなったので辞めたそうだ。

去年は2回あったが、一度目はひどかった。そして自分もひどかった。

二回目の時は大部元気になっていたが、まだ家から出るのが辛いそうだ。

公園に行き、バトミントンをした。おもいっきりやったら少しだけ笑っていた。

今年はおかんを少しでも安心させてやれよと言うと、分かった。といって帰っていった。

そして昨日裕介からメールが来た。また小伊根から連絡があったらしい。

一体何の用なんだろうか。たしかに裕介は子供の頃小伊根に酷い事をしていた。


復讐がしたいのか、それとも小伊根の中で越えなければならない何かがあるのかな。

わからないけど。少しだけ気味が悪いです。