石けんと精油リターンズ | 日々つれづれ

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はづきのアタマの中。

以前、「石けんの香りづけに精油を使うのってどうよ?」みたいな記事をかいたのですが(→)、
今日、アロマスクールで先生とそれに関する話をしました。

精油には、芳香成分だけでなく、
他にもいろんな成分が含まれています。
鎮痛・鎮静・ホルモン調節・消化促進・免疫賦活・・・もっともっとたくさんあります。
薬のような働きをする成分もたくさんあります。

石けんに精油を入れる場合、
特にみんなが好む柑橘系の精油などは、すぐに香りが飛んでしまうので、
ついたくさんいれたくなりますが、
香りが飛んでしまっても、
それは「芳香成分」が飛んでしまっただけであって、
その他の成分は石けんの中にしっかり残っているのです。


あらためて、検定テキストや、その他のアロマテラピーの本を読み返してみました。


・身体に広く精油を使う、部分トリートメント(手脚など)や、全身トリートメントには、
精油の希釈濃度は1%以下が望ましい。
(子供・妊婦・お年寄りにはさらに低濃度で使うこと)

・身体の局所的に使う、オーデコロンや香水などは、3~5%。

・ただし専門家によっては、さらに高濃度で使用する人もいる。



私が持っている、精油で作る香水の本だと、15%~20%濃度だったりします。



要するに、専門家によって判断が分かれるということは、
まだまだ未解明の部分が多いということなんだと思います。


なので、AEAJ((社)日本アロマ環境協会)でも、
あくまで「1%が目安。望ましい」という書き方をしているだけで、
「それ以上は禁止」という書き方はしていません。


精油の成分構成はとても複雑で、
完全に分析・解明することは不可能だとも言われています。
成分構成を真似して、似たような香りを人工的に作りだしたとしても、
精油と完全にイコールにすることはできないそうです。

精油とフレグランスオイル(フレーバーオイル)が、
「香りは似てるけど、やっぱなんか違う」
というのは、そういう理由からなんですね。



さて、石けんと精油に話を戻すと、
先日も書きましたが、
精油は皮膚の表皮から真皮に浸透し、真皮内の血管に吸収され、全身をめぐります。
油脂などの基材は真皮どまりですが、精油は分子が小さいので血管に吸収されます。

血管は身体のすみずみに行きわたっているため、
血管内の精油成分は、脳や各臓器にさまざまな作用をもたらします。

局所的に使う香水などは、
濃度が高くても、吸収する皮膚の表面積が小さいため、
身体に大きな影響を及ぼすことは考えにくいと思われます。

しかし、全身トリートメントは、精油が触れる皮膚の表面積が大きいため、
皮膚のあらゆるところから吸収され、その分、体内に入る精油量も増える、と考えられます。


・・・じゃあ、身体を洗う石けんは?


となるわけです。




精油に関する研究は常に行われていて、学術論文が多数発表されています。
先日読んだ、ちょっと古い文献(1980年代の本)では、
精油を多量に飲ませ、どれくらいで致死したか、という恐ろしい研究結果も載っていました。
(人体実験です)

精油の致死量はすでに解明されていて、
どれくらい体内に入ると、50%の人間が死にいたる、という数値が発表されています。




もちろん、精油には素晴らしい効果がたくさんあります。
シャンプーバーにローズマリー精油を入れれば、
頭皮を清潔にする作用が働き、すこやかな髪を育てる効果がありますし、
石けんにカモミール精油を入れれば、
抗炎症作用が働き、肌を健やかにする効果があります。

ですので、石けんに精油を入れることはとても効果的です。

しかし、それは、
精油の特徴を知った上で使うことが大切なのではないか、と、
今日、先生と話していて、あらためて思ったのです。



これまた、私の個人的考えですが、
「なんでアロマテラピーの資格は民間資格なんだろう?」
思うに、
まだ研究半ばで、解明されていることが少なく、
研究者や専門家によって意見が異なるため、
プロとして必要とされる知識が確定しておらず、
ゆえに「国家資格」として国が認めるまでに至っていないのでは・・・と。

必要な知識が確定していれば、
「これだけ身につければプロとして認める」基準が明確にできますもんね。
例えば医師とか。

ただ、ヨーロッパ・・・フランスなどでは、
アロマテラピーは医療行為として認められているので、
なかなか微妙なところなんでしょうけど。



またまた堅苦しいことを書きましたが、
せっかくお肌に優しい、手づくり石けんだからこそ、
オイルや精油・オプションについての正しい知識を身につけておきたいな、と思います。





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