私は、2004年6月、
転勤で名古屋から東京へ来ました。
自ら望んだことでした。
生まれてからずっと、愛知県から出たことのなかった私。
東京は、憧れの街でした。
会社が、東京でプロジェクトを立ち上げたため、
人員の募集をかけていたのです。
それに私は手を挙げました。
名古屋が本社の会社、
もともと地元志向が強い社員ばかりです。
自ら望んで転勤を申し出る人など、皆無でした。
東京にある、会社の寮(といっても借り上げマンション)に引越し、
新しい生活が始まりました。
しかし、私が投入されたプロジェクトは、すでに火の車状態。
赴任初日から残業でした。
私は、なんとか早く仕事を覚えて、自分を軌道に乗せようと必死でした。
とにかく、ぐちゃぐちゃの現場でした。
何から手をつけていいのかわからない。
誰に何を訊けばいいのかもわからない。
今までの自分のやり方が通用しない。
自分の非力さが情けなくなりました。
名古屋の友人や同期に、
何度もメールや電話で愚痴をこぼしました。
だけど、返ってくる言葉は、
「せっかく東京に行けたんだから、頑張んなきゃ」
「辛いのは初めだけだよ。慣れればきっと大丈夫だよ」
自分は一人ぼっちになったような気持ちになりました。
そうか、私は弱いやつなんだ。
もっと頑張らなきゃいけないんだ。
毎日、夜遅く会社を出て、駅に向かうときに見えたもの、
それは、赤く光る東京タワーでした。
東京タワーって、こんなに大きかったっけ・・・
東京タワーって、こんなに恐かったっけ・・・
やっと、仕事に慣れた頃、
私はドクターストップをかけられました。
よく、「めげそうになると、東京タワーを見る」とか聞くけれど、
私にとっては、逆に、
東京という街の大きさを実感させられる、恐怖の存在でした。
「東京タワー、きれいだね」
そう言えるようになったのは、最近のことです。
