昨日は40年前の女子バレー部の教え子と10年ぶりの呑み会だった。今年還暦になる彼女たちも今は立派な母さんであり、奥さんであり、そして親の介護に奔走する家族の大黒柱であった。それにしてもたった2年間の女子バレー部顧問だったにもかかわらず、あの頃のことが40年経っても懐かしく語れるのは教師冥利につきる。

 

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特別派遣研究員による「幸せの国の教育事情について」の報告が届いた。

特別派遣研究員からの報告

約1週間程の日程でブータンにて教育の実態調査を行なって来た。その一部を、以下に報告する。

皆さんもご存知の通り、ブータンは、国民が感じる「幸せ度、世界一の国」である。

ブータンで有名な私学の校長先生と色々とブータンの教育の実態について話をする機会があった。

その時の話の内容では、

1、現在のブータンでは、そもそも不登校という言葉や実態がない。

2、社会全体で、最近教育に熱心になっていているが、日本程、受験競争的なものはない。

3、社会環境、経済状況等は必ずしも高くはないが、国として、ブータン独自の方針を貫き、自然、環境、伝統等を大事にしている。経済効率主義や物質至上主義から距離を取り、海外からの観光客も制限をかけている。

4、日本の戦後10〜20年ぐらいでは、日本でも不登校という言葉はなかった様に、ブータンの今の実情は、日本の当時と同じではないかとの話である。学校に行かないという選択肢はない。家にいても、何もやることがない。

5、本派遣委員が今回の滞在で感じたことは、ブータン人全体が家族的な感じがして、どの人も久しみやすく、仲間を信じて大切にしている。特に熱心な仏教国で、人々は信心深く、慈愛や功徳を積む心を大切にしていることが分かる。

人生観や価値を、そこに置いている様に思われる。

6、「人の幸せ、喜びを自分の喜びと感じる。」「功徳を積めることが、自分の幸せになる。」

以前の日本人多くが、もともと大切にしてきた価値観や考え方が、ブータンの国民は今だに大切にしている様に思われる。

7、ブータンには、野良猫や犬、また野生の牛が多い。しかしそれ等の動物も、全く人間に対して警戒心がなく、何もないかの様に、人間や自然と共同生活をしている。

「親を見て子は育つ」と言われるが、野良猫、犬また人間のどちらが親か子かは分からないが、

どちらも、警戒心がなく、自然と共生しているのが、とても印象に残った。

「幸福」の秘訣の一因が、そこにもある様にも思えた。