猛暑が続いて機動力が落ちている。ふと気づいたら、今年は着物屋さんに浴衣の着付けを頼むのを忘れていました。

プロがやるので帯も凝った結び方にしてくれ、それで地元の夏祭りや三箏の発表会などに足を運ぶのです。

今は亡き商店会の会長が「女性はなるべく祭りには浴衣で来てほしい。女性の浴衣姿には祭りを盛り上げるパワーがある」と、今ではジェンダー的に問題になるようなことをおっしゃったのがきっかけだが、もともと日本の民族衣装、祭り以外にももっと気軽に、ファッションとして着物を楽しめるようになるといい。

着付けをしてもらう喜多見の「三鈴」では、着付け教室の生徒さんを中心に、和装でお出かけするイベントをするそうです。浴衣でも足袋をはけばフォーマルな感じになることも教わった（足にまめもできなくなる）。

今年は着付けの予約は忘れたが、人生何度か着付けも教わったし、今の世の中動画を見れば出来るんじゃないか！と挑戦。着付けに３回、帯締めは４回やり直しするところから始まり、部屋の冷房を“強”にしてパソコンを前にYouTube見ながら完成。（帯は文庫結び一択）

今年は自分で着て３回お出かけしました。

林真理子だったか、３０代になると和服に凝り出す人が多いと言っていたが、遅すぎだろ。

いそくみの勤めていた会社は丸の内にあり、当時は生け花と着付け教室があって着付けには通っていました。他の事業部の女性たちと知り合える場でもあるのだが、たいてい熱心にお稽古し検定試験まで到達するのは一般職の女性で、総合職はやれ出張だ、会議だと理由をつけてはお稽古を休むので遅れがち。世の男性たちが仕事を理由に家事をサボるような構図が出来上がっていた。教えに来ていた50代くらいの女性は他の会社の勤め人だそうで、正規の仕事は補助的な事務仕事なのだろうが、定時後は一転して師匠になる。キャリア・シンデレラというか、道を究めるとはすごいことだなと思ったものです。

その弟子の端くれの３０年後。浴衣で神社の祭りや演奏会に行けば、顔見知りに「今日はすてきですね～」と声をかけられたり、外国人に写真を撮られることもある（神社を単独で写すより、和服の女性が入っていた方が絵になる。オバサンでもね）。回数を重ねれば着付けもうまくなるし、色柄の雰囲気が違うのをもう１枚くらい買おうかな、と遅すぎるマイブームの渦中にいます。

三峯神社にて

浴衣着付けとシンデレラ