東京都庁のプロジェクションマッピングが2年間で48億円の経費がかかることで、特に反小池都知事側の批判材料になっています。観光資源として全く無駄ではないのでは…?という意見も見え隠れしますが、

前区議 いそくみはそれ以上に

「個人住宅の屋根に太陽光パネル義務化というまで逼迫しているわりには、電気をムダに垂れ流してないか?」

照明コンサルタント いそくみとしては

「プロジェクションマッピングってこんなに安っぽかった?秋葉原の電気街か…」

とモヤモヤしておりました。

 

それに一気に答えを出してくれたのが、FBで回ってきた「パリ・ノートルダム寺院と東京都庁の、プロジェクションマッピングの比較」

よほどインパクトが強いらしく、4回も5回も回ってきています。

 

(Xで出てくるこの方のがとても解りやすいので引用させて頂きます)

https://x.com/marine12240130/status/1806624008059904315

ノートルダム寺院は年間約1100万円で東京都庁は2年間で48.5億円だという。しかも芸術性に雲泥の差。

 

そうだ。プロジェクションマッピングの極意は、映写される建物を生かして、それが崩れたり骨組みだけになったり絵画調になったり、だまし絵の要素が必須だったはず。東京都庁のは平面に映しても効果は変わらないようなデザイン。

色彩のセンスもフランスに遠く及ばない。

はるか昔から日本の若い画家やファッションデザイナーが修業するのにパリに行く、その差がいまだ埋まらないのだと見せつけられる思いです。

 

四半世紀近く前だが、ミャンマー出張時に観光地の仏教寺院に行ったら、仏像の光背に夜の観覧車のようなカラフルなライトがキラキラ、くるくる回っていた。案内役の駐在員が、「こちらは電気が貴重なものなので仏像の装飾に使うのだ」と言っていたが、ろうそくの灯のほうがよほど荘厳で美しいのにと思ったものです。

都庁のプロジェクションマッピングを観に来た欧米人も、似たような感覚をもつのだろうか。所詮日本だから、アニメさえやってりゃいいと思うのだろうか。

 

都庁のプロジェクションマッピングに、腹を抱えて嗤う緑のたぬきのアニメ映像が出てこないことを願うばかりです。