夏が暑すぎるせいかここ数年、レースの服が流行っていますね。

磯田の実家に行く際に今年買った白レースのスカートをはいていたら、「そういうのがあったわ、着る?」と、磯田の母がこんなのを出してくれました。

こ、これは…似て非なる総手編みレースのカーディガン。ずっしりと重い綿の糸で編んであり、Shanghaiのタグがついている。色は生成り。中国の時代物の映画で、髪を翡翠のかんざしで巻き上げた香港マダムが着ていそうです。

 

 

服は現代の方がカッティングも進化し着心地がよいけれど、レースや刺繍、フチ縫いなどが総手仕事の“今ではとてもやる人がいない”作品は、コレクターとして手に入れることがあります。

中国出張時、デパートで、汕頭刺繍が全面に施された反物を見たことがあります。展示ケースに入っていて特別扱いだったが、刺繍ごとジャキジャキ鋏で切って服を仕立てると考えると、その贅沢さに気が遠くなりそうでした。

 

私たちが子どもの頃は、母親世代は手編みのレースモチーフをつなげたワンピースやブラウスを着ている人もいた。最近の奥様方はスマホチェックに忙しいし、中国の人件費も爆上がりなので、手編みのレースカーディガンはいずれヴィンテージでしか手に入らなくなるだろう。

 

綿糸だが細かく編んであるのでわりと温かく、またベージュがかっているので秋のはおりものによい。

映画「インドシナ」のカトリーヌ・ドヌーヴのような、アール・デコ時代のしずく型イヤリングが似合いました(中はユニクロのフリースだけど)。