東京、神奈川以外の方は「ロマンスカー」をご存じないかもしれない。小田急線の特急で、箱根方面に旅行に行くときに乗るのです。名古屋出身の友達に「不倫旅行を連想させるネーミングだ」と言われたことがあるが、「東京行進曲」にも“いっそ小田急で逃げましょか”という歌詞があり、ロマンスを感じますね。

このロマンスカーにはVSE(初代)、EXE(ブラウン系)など車種がいろいろある。一番人気はスカイブルーで内装が暖色系のMSEだろう。これは小田急だけなく地下鉄千代田線内も走り「ホームウェイ」と呼ばれます。

 

先週末、日比谷に映画を観に行くのに夫の発案で、成城学園前から日比谷まで乗ったのがすっかり気に入ったいそくみ。今日は日比谷図書館の帰りに、霞が関から成城学園前までホームウェイとして乗ってみた。

20時すぎの下りのMSEは思いのほか通勤帰りで混んでいる。表参道からスキンヘッドの若い白人男性が隣に乗って来て、iPadで外国都市案内の動画をみている。PCを広げて打ち始める人もいる。もはやロマンスはなく車中オフィスな感じです。

 

そして成城学園前。さきほど乗った出入り口から降りようと思ったが、列車が停まってしばらく経つのに扉が開かない!

ガラス戸の向こうにはおしゃべりしている部活帰りの学生たち、次の電車を待っているのかこちらを向いてスマホをいじっている人、(ここ開けてー)と心の中で叫んでいる自分が見えないかのように、世間は動いている。

ふと、死んでしまって魂だけになったらこんな感じなのかなと思った。みなさん鉄道事故には気をつけましょう。

 

とうとうMSEは動き出した。次は新百合ヶ丘です。回ってきた若い車掌に聞いてみた

「MSEって新幹線みたいに自動で戸は開かない?もしかして手動で開けるのですか?」(昔の世田谷線か!)

「いえ、自動で開きますよ。この4号車だけ開かないんです」

意味わからん。

そういう乗客が多いのか、彼は親切に

「追加料金は結構ですので、新百合ヶ丘まで空いているお席にお座りください」

ここがJRと違ってサービスがいいですよね(知らんけど)。

 

早く帰るつもりが帰宅まで小一時間余分にかかって、家族にあきれられました。