軽井沢文化遺産保存会の会長としてお世話になっている増淵宗一先生に、東京の拠点である神宮外苑周辺を案内していただきました。

平日とはいえ、緑の美しい季節なので散策する人は多い。そしてテラスレストランに白人、中国人が多いのが目につきました。20代の頃愛用したセランは建物はそのままでKIHACHIになっています。

イチョウ並木の手入れの良さにまず驚かされます。先端はヒマラヤ杉のように細い円筒形に剪定され、増淵先生のお話では根元の土も耕しているとのこと。このイチョウ並木沿いに、昔でいう“スーパーカー”が展示のように、区外からも集まるのだそうです。今回は一台、赤いランボルギーニ・カウンタック(小学校の時に憶えた)が停まっていました。

外苑のシンボルの聖徳記念絵画館を見学。増淵先生が地元町会員なので2人まで無料(通常は入館料500円)。こういうちょっとした特典が成城自治会にもあると、加入率の後押しになりそうです。

典型的なアールデコ・デザインのステンドグラスだが、どうも100年前の色合わせに見えない。藤城清治風というかSDGsっぽいというか…

ガラス、入れ替えました?

エントランスの天井。これより内部は撮影禁止で残念。

 

外観から想像したとおり、ステンドグラスや扉のデザインなどはアールデコ。内部は左右に分かれ明治天皇と昭憲皇太后の生涯を描いた80枚の絵画が展示されています。明治天皇も木戸孝允も西郷隆盛も歴史資料に残る肖像写真とそっくりで、当てっこが楽しい。他の女性が後姿なのに、美人とうたわれた梨本宮妃は振り返るポーズであるなど、献上品には画家の気遣いが感じられます。

 

展示の解説によれば、神宮外苑は全国民からの寄付金と献木、勤労奉仕で造成し明治神宮に奉納されている。初期費とマンパワーは国民から徴収しているので「勝手に木を切るな」と言いたくもなりますね。明治神宮も経営難なのでしょうか。

増淵先生の解説では今回の再開発はローリング。木を伐採して今ある野球場やラグビー場を別の場所に造成、元の場所にはビルが建つ。相対的に緑が減らないよう、計画を見直してほしいものです(貸ビルではなく貸し農園にするとか?)。