少子化対策、少子化対策と子育て中の世帯に金銭的な支援をする策がいろいろ出ているが、お金がもらえるから(子育ての経済的負担が減るから)子どもを作ろうと思うだろうか?
このブログでもFBでも子どもを産んだ人への支援や不妊治療助成より、若い世代の生活が立ち上がるよう雇用を安定させ所得を増やし、結婚したいときに出来るようにすることだと繰り返し述べてきました。
ネットのコメント欄には「若い世代が子どもを持ちたい、育てたいと思わなくなっている」という意見も出ています。20年ほど前なら子育てにお金をかけるより海外旅行してブランド品を買って、趣味に時間を使う方が楽しいから…ということもあったのでしょうが、今はそれ以上に「子育ては辛くて嫌なもの。夫婦や社会で押しつけあうもの」というマイナスイメージを、マスコミや世間が醸成し過ぎた影響もあるのではないでしょうか。
私が妊娠がわかった2003年、成育医療センターの担当医より「子どもが欲しくても出来ない人とか世の中にはいろいろいるから、妊娠や子育てをうれしそうに語らない方がよい」と言われました。育休明けに都心の高度先進医療クリニックに広報担当として出向したのですが、その医院では婦人科があるにもかかわらず「子連れの来院禁止」でした。理由は”子どもの声がうるさい”というのと、”不妊に悩んでいる人もいるかもしれないので”。
当時はネットでも不妊治療中の人には気を遣え(どの人が治療中なのかわからないよ)、大きなお腹や小さい子を自慢げに見せるな(見せびらかしているわけではないんですが)と、様々な警告が飛んでいました。
会社勤めの場合は、独身の女性の同僚にも気を遣う。既婚の同僚宛には家族写真の年賀状、独身女性宛には一人でうつっている(あるいは写真なしの)年賀状と使い分ける人が出てきました。少し時代が戻るがいそくみ独身の頃、(家族がいるのになんで一人の年賀状なんだろう?)と同僚女性の年賀状を不思議に思っていたら、会社では他の人(既婚)が「A子さんちのお子さん、大きくなったね」などと話していて(あー、私だけ違う年賀状を送られているんだ)と、かえって傷ついたものです。
こうして、2000年代初頭くらいから、子どもはあってもなきものとして語るのが社会人のマナー、妊婦も幼児も隠すものとして扱われるようになったのです。
(続く)