何かとお騒がせなアメリカのセレブ、キム・カーダシアンがマリリン・モンローのドレス(1962年、ケネディ大統領の誕生会に Happy Birthday Mr.President ♪とセクシーな歌声を披露した時に来ていたボディコンドレス)を、ダイエットを経て着用、メットガラで披露したことが炎上しているらしい。真珠色のビーズがびっしり刺繍されただけのシンプルなドレスはキム・カーダシアンの浅黒い肌に似合っていて、最初の記事は興味を持って読んだのですが、その後「博物館所蔵レベルも貴重なドレスをレッドカーペットで着るなんて、汗がついたり何かあったらどうするんだ」「有名人のダイエットは若い女性に悪影響」などと叩かれたそうですが、最初の記事に「着用は室内の写真撮影のみで、レッドカーペットで着たのはレプリカ」と書いてあったのに、記事をよく読まずに炎上する典型的なケースですね。ダイエットにしても、キムは将来の健康が心配になるくらい太っていたので、今回ダイエットしてちょうどよくなったのでは?(急に痩せるのはよくないけれど)

友人の結婚式に60年代の母のドレスを着たり、(小和田雅子さんじゃないが、新郎側の友人席から「あのワインレッドのドレスを着た方はどなたですか?」と聞かれたそうだ。実家にまだある)、ヴィンテージで70年代くらいの海外のドレスを入手し活用している身としては、60年代くらいのドレスではまだまだ着用可能範囲だ。品質にもよるが(シルクは最も早く傷む)。

アンティーク好きの間で有名なヴィンテージドレスは、作家森瑤子が翻訳家朝吹登水子から入手した1920年代のランバンのドレス。森瑤子は何度かパーティで着用し、そのたびに縫い取りのビーズがばらばらと外れ、それを集めて帰ったとか。自分ならそこまでして着用したくないが、森は“ドレスはガラスケースの中に置いておくものではない。着用してこそ美しい。これからも着る”と言い切っている。

 

モンローが典型的な金髪美人でキム・カーダシアンが非白人であることも炎上の要因の一つでもあるように思う。かつて、グラビアアイドル井上和香がモンローとスリーサイズが一緒と話題になったが、あのドレスを東洋人が着たとしたら?サイズが合う美人が着ても、やっぱりちょっと違和感があるかも。

あまりにも有名なドレスというのは、最初のヒロインのイメージがつきすぎて、他の人の着用が許せなくなるのかもしれない。古さ、耐久性云々ではなく。