(なくても生きていけるものはなるべく買うまい)と思っているが、それでも買ってしまうのはアンティークを含む、一点物の美しい置き物、飾りものだろう。

 

写真奥の眠っている妖精の置き物は、今もあるかわからないが下高井戸の各国の輸入品を集めた雑貨屋で。ばら色の頬、閉じたまつ毛から飾りの花まで手抜きなく繊細に出来ていて、日曜日に見て(なくても生きているし)と思ったのだが、忘れられず翌日の会社帰りにダッシュでお迎えに行きました。裏に「‘96 Chie」とサインがある、日本の作家だろうか。モノを落として羽根の先を欠いてしまい自分でくっつけた記憶があるのだが、今見ても継ぎ目がないので夢で見たのでしょうか。四半世紀経つと私物もヴィンテージになってきますね。

最近手に入れた手前のリモージュ・ボックスは70年代のヴィンテージ。リモージュ・ボックスはピンクのばらや金の唐草で縁取ったゴージャスな柄で金属の蝶番で開くものが多く、コレクターズアイテムでもあり高いものは数万円もする。これは蓋物。好きなすみれの絵が優美な曲線で手描きされ、何を入れるということでなく気に入ってしまいました。今飾りがとれたイヤリングを入れています。要修理アイテム入れになりそうですね。

 

実家の父も海外に行くたび焼き物や木彫りの人形など置き物を買ってきていて家のあちこちに飾ってあった。外国の帽子の長い妖精は可愛いというより怖い顔をしている(中でも可愛い方を選んだそうだが)。祖父母の家などだと飾り物を陳列するための専用ガラスケース、山の手のお洒落な友人の家には、中に飾り物を配置できるガラスの蓋つきのテーブルがあった。

 

飾り物を飾れる専用ケース…これが現代の家にはなく、本当は必要なものかもしれません。

若い頃は、自分の家を持ったら薬品棚(ドクターキャビネットともいう。古い医院にある白い縦長のガラス戸&木製戸棚)が欲しかったのだが、置けるほど家が片付かない。今ならジモティとかでまだ出てくるだろうに・・・今の自分なら買える値段で家もあるのに、置く場所がなくて人生を終えるのもまた残念なことです。